「ソーダ博物館」に学ぶべきこと。
ロサンゼルス・ダウンタウン。ここに、見た目には何の変哲もない小さなスーパーがある。だが、別名「ソーダ博物館」として、多くのファンを持っている。
全米各地から、昔ながらの製法で作られたソーダを集めている。棚一面に、ソーダ、ソーダ、ソーダ……。その品揃えは、480種類。
昔ながらの瓶詰めソーダは、砂糖と天然材料で作られるので、まぜものの多い大量生産のものより、格段に美味しいという。昔を懐かしむ人や珍しいものを探す人たちで賑わい、まとめ買いする人もたくさんいる。
ここの店主、いまでは、その知識の豊富さを知られ、メーカーからの相談も受けるそうである。
この店は、“ソーダ”で近隣のスーパーとの差別化に成功している。“○○○の店”というイメージづくりが、この店はできているのである。
客に明確に伝わる「個性」がある。「ソーダの店」なのである。だからといって、客がソーダだけを買いに来るのかというと、そうではない。
同じような買い物をするなら、“ソーダのある、あの店に行こう!”となるのである。「ついでにソーダも買おう」という人もいれば、「ソーダのついでに買い物も」という人もいる。ソーダがあることで、他の物も売れるのである。
ここで、あなたの店のことを振り返ってみて欲しい。
“○○○の店”になっているだろうか?
「これなら、誰にも負けない」というほどの自信を持っているものがあるだろうか? 少なくとも、商圏としている地域では一番だ、と言えるものが欲しいところである。
「地域一番店になれ」とよく言われるが、たったひとつで良いから、自慢できるものを作り出せ、ということである。あれもこれも、という田舎の雑貨屋さん手法は、もう通用しない。
エモーショナルもダイレクト・レスポンスも、充実した商品・サービスがあってこそ、生きてくるのである。中身のない店が、いくらキャッチフレーズをうまく作っても、すぐにバレてしまう。
セールスレターがうまくてもダメ。中身がなければ、詐欺みたいなものである。自慢するからには、それなりのバックボーンが必要なのである。
自慢できる店。それが、“○○○の店”ということである。
“うちのパン・ド・カンパーニュはどこよりウマい”というパン屋。“チャーシューは絶対負けない”というラーメン屋。“産直ギフトなら、どこよりも揃っている”というギフトショップ。“婦人雑誌の種類はすごい”という本屋。
たったひとつで良い。自慢できるものを作って欲しい。“あの店は、○○○が良い”と言われるようにならなければならない。
自慢のものができると、「自信」になる。自信があれば、キャッチフレーズもセールスレターも自然に書けるようになる。客に言いたいこと、伝えたいことが、次から次へと出てくるからである。
店に自信が持てるように、“○○○の店”となることを第一に考えて欲しい。
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