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やっと医学が面白くなってきた。

医学部に入って今5年生。
CBT・OSCEを終えて、臨床実習が始まった。
マッチングのための病院見学も開始し、将来の志望科について考えたり、国試を意識し始める時期。
CBTを勉強している段階では、授業で習うことが、ただの知識に過ぎず、正直、自分が何を覚えているのか、なんのために勉強しているのか、全くわかっていなかった。

まぁ、今もあんまりわかってないのかもしれないが、最近になってようやく、自分が何をやっているのかが少し理解できた。

1〜3年

病気を診断するには、まず正常を知らないといけない。
そのために、正常解剖を学ぶ。
そして、なんで、そうなるのかを知るためには、体の仕組みを知っておく必要がある。
そのための、生理学や生化学。

3〜4年

そして、、各論では、それぞれの診療科で分けられた病気について、
具体的に、
どんな問題が体に起こっているのか:病態
何と言って、患者さんは病院にやってくるのか:症状
その異常をどうやって見つけて、何を持って病気だと診断するのか:問診、診察、検査
診断したら、次は何をするのか:治療
治療をした後は?:予後、経過観察のやり方
を学んでいく。

4〜6年

それらを学べたら、次は、知識だけではどうにも、やってみないと、みてみなきゃ、てことで、実習。

卒試・国家試験

で、ワレ、ほんまにちゃんと最低限のこと覚えてんのけ?こいつちゃんと医師免許あげていいくらいの勉強したんか?
てことで、大学からはPCC OSCEや卒業試験、厚生労働省からは国家試験で、医師としての最低限の知識を試される。

初期研修

それに合格して、次は、はい、いきなり、てのはちょっとねぇ
てことで、研修を受ける。それが初期研修。

今思った・気づいたこと

あーそういうことかー笑
自分が何をしてきたのか、今何をしてんのか、やっと分かった。。

しっかし。。
はぁ。。😩なんて当たり前。
だけど、これが分かっていなかった。

目の前のテスト、膨大な暗記量と訳のわからん難解なカタカナや漢字の羅列、、これまでの勉強は、高校の時の勉強と大して変わりなく、ただの詰め込み作業になっていた。
何のために、は、ただテストに合格するため、点数を取るため、になっていた。
正直、医学部のテストやCBTは、暗記ゲームで、過去問をやりこんでおけば、まぁ大体何とかなる。

だからこそ、その一つ一つの意味を、目的を、分かっていなかった。
文字が読めても、単語を知っていても、文章や行間を読めないと、小説は意味が分からないし、面白くない。
私がやっていたのは、小説に出てくる単語をただ覚えていたみたいなもの。
全く全体像が見えていなかった。

何のために医者はいるのか、医者は何をするのか。
病気とは何なのか。なぜ治療しなきゃいけないのか。そもそも、正常と病気が曖昧なこともある。どこからが病気なのか。。
治療にしたって、治療法がない病気なんて山ほど存在するし、というか、根本治療がある病気の方が少ない気がする。。対処療法が治療と言えるのか。治してる、て言っていいのか。。

というか、なぜ、患者さんは病院に来るのか。
医者の仕事の本質は、病気の治療じゃなく、患者さんのQOLを上げること、患者さんの苦痛、主訴を改善することなのかもしれない。

私は、自分の生き方に迷うことが多々ある。
そんな自分が、人の生死、生き方に関わる職業である医師になろうとしている。。
私がこれから入ろうとしている世界は、思った以上に不確実で、厳しい世界なのだろう。。

登ってみた木が思った以上に高くて、降りることができない。。何となくそんな気持ちにも似ている。
だけど、そこから見える景色をちょっと好きになりつつもある。

ひとまず、気づけたことがまず一歩である。
当たり前なことを、当たり前にできる、そんな医師になりたい。。

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