寝室でCO2濃度を測ったらまさかの衝撃的結果
今話題の二酸化炭素測定器(CO2測定器)がけっこう安くなってきたので、なんとなく測定してみることにしました。
使ったのは、東亜産業のTOAMIT。
まず大気中のCO2濃度についておさらい。
地球温暖化の影響もありますが、2020年でだいたい420ppmくらい。
うちの6畳間の寝室はどうでしょう。
これが誰もいないときの寝室のCO2濃度です。
ほぼ大気中の濃度と同程度。いい感じ。
この寝室で大人2名、乳幼児1名の3人で川の字で寝ます。
3人が寝室に入ってから30分後はどうでしょうか。
やな予感...。
さっそく上がってます。
厚労省の「適切な換気により1000ppm以下を維持」という基準も軽く超えてます。。
窓あけ換気はせずに、とりあえず、このまま寝ました。。。
翌日の衝撃の結果がコレ。(寝坊して8時起き)
なんでー
センサーの上限、振り切っちゃってる!!!!!
(※このセンサーでは5000ppmまでしか測定できない)
とりあえず、すぐに窓を開けて換気をしました。
うちは高気密・高断熱住宅ではありません。
雨漏りもある古い木造住宅です。
それでもCO2はこんなに部屋にこもってしまうのか。。
測定値を振り切ってしまったので、5000ppmなのか、あるいは10000ppmなのかもよくわかりません。
乳幼児の呼吸数が速いからか?
(乳児の呼吸数は35回/分、大人は12〜18回/分)
それとも安いセンサーだから感度が悪い?
器械の誤差かと思って、一般的な環境のCO2濃度を確認してみました。
・満員電車 約1500ppm
・満員の飛行機 約2000ppm(離陸直前)
・自動車内(内気循環) 約5000ppm(運転1時間後)
密閉空間では、思いのほかCO2濃度は高くなるようです。
寝室のCO2濃度高すぎの解決法
朝起きてすぐに寝室の窓を開ける。
長いことしていなかった行動です。
そういえば80年代までは、そういうことが当たり前に行われていた気がします。会議室など空気が淀んでいるとすぐに「換気換気!」と窓を開けるおせっかいな人がどこかにいてくれた時代。
エアコンや空気清浄機など家電の発展とともに、当たり前のことをしなくなって。もしかしたら現代の住環境のCO2濃度は、悪化しているのかも知れません。
厚労省も冬場など窓開け換気が難しい時期でも、工夫して窓を開けて換気することの重要性を公表しています。
以下は、公明党のHPからの参考イメージ。
対策としては、寝室から一番遠い部屋から外気を取り込み、ドアなどを少しだけ開けて、寝室にも新鮮な空気が入るようにするようです。
朝起きて、目覚めが悪い、部屋がモワッとするのは、もしかすると部屋の酸素が少なくなってしまったことも影響があるかも知れません。
「気体の種類によらず、同じ温度・同じ圧力において、同じ体積の気体の中には同じ数の分子が 含まれる」(アボガドロの法則)であることから、朝に増えていたCO2濃度と同じ体積の酸素が、睡眠時の呼吸として消費されてしまったわけです。
出典不明(信憑性不明)ですが、以下のような報告もあるようです。
1,000ppm 思考力に影響し始める
2,000ppm 眠気を感じる人が出てくる
3,000ppm 肩こりや頭痛を感じる人が出てくる
3,000ppm以上 集中力や意思決定に支障をきたす
寝室のCO2濃度が高いことの影響
例えば、睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠中に1時間に少なくとも平均5回以上、10秒以上も自分で息を止めちゃう病気です。放置すれば、日中の眠気や眠気による交通事故だけでなく、低酸素状態により、心臓に負荷をかけ、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などの合併症を起こし、最悪の場合は突然死につながります。だから治療しなければいけない病気ですが、それに加え、部屋のCO2濃度が高いということはさらに体に良くなさそう。
人体には、延髄と頸動脈小体にそれぞれ体内CO2濃度のセンサーが備わっています。
延髄の(中枢性)化学受容器では血中のCO2濃度に対して敏感で、CO2分圧が上昇(CO2濃度↑)すれば、換気促進(呼吸回数↑)します。
頸動脈正体には(末梢性)化学受容器があり、ここでは動脈血の酸素分圧に敏感なため、酸素分圧低下を察知してまた換気促進(呼吸回数↑)します。今回は、朝起きたときにハーハー、息が荒くなっていません。
ということは、安静時呼吸が12〜18回/分の範囲内であり、閉め切った寝室で酸素不足になることは考えにくいです。ですが、こういうのは長期的に調べるべきですが、長期的研究のデータで明確な答えはまだありません。
体内にはこんなに絶妙な換気装置が備わっているのに、なぜいままで私たちは環境、とりわけ住環境の換気に鈍感だったのだろう......。
自分でもびっくりな結果でした。
ここ最近の地球のCO2濃度は?
ついでに、寝室のCO2濃度、体内のCO2濃度から発展させて、今度は地球のCO2濃度にも思いを寄せてみます。
気象庁のデータを調べてみました。
10年前までは、平均300ppm台だったのが、この10年でついに400pmを超えた大台に入ってます。大気中の二酸化炭素濃度の上昇のスピードも上がっちゃってる。。気候変動も想定より速いスピードで進んでいるそうです。
CO2濃度まとめ
・寝室の換気はすごく大事
・窓空け換気は最も遠い部屋から空気の流れをつくる
・寝室のCO2濃度上昇は、呼吸数が速くなるほどの影響はない
・よって寝室のCO2濃度は「直ちに健康を害する影響はない」
・高気密住宅は停電などで24時間換気が止まらないよう注意
・持病がある人はCO2濃度より危険なので治療すべき
・地球のCO2濃度も結構なスピードで上昇している
今回なんとなく買ったCO2センサーでしたが、地球温暖化のことにも思いを馳せるきっかけになり、とても良い買い物でした。また自宅の換気もこまめにしていきたいです。
追記
このCO2濃度の高い寝室には、DAIKINの換気機能付きエアコン「を導入しました。うるさら導入後のCO2濃度の変化は次回のエントリで報告します。