お醤油~製造工程に意外性を感じる人がいるかも。
こんばんは。きむきむです。
今日も数ある投稿の中で私の投稿をご覧いただきましてありがとうございます。ちょっとシリーズでご紹介している「お醤油」についてです。
お醤油をECサイトで扱っていますが、なるべく公平性を期して紹介したいと思います。
ただこの情報源は大手
前回に醤油の種類についてご紹介しましたが、今日は市場で一番流通されている
「濃い口醤油」
を例とし製造方式に着目した分類をご紹介したいと思います。
本醸造方式
1.蒸した大豆(脱脂加工大豆)と炒って砕いた小麦をほぼ均量ずつ混ぜ、そこに種麹(しょうゆを製造するために元となる培養された優良な麹菌)を加えて”醤油麹”を作ります
2.”醤油麹”に食塩水を加え”諸味(もろみ)”としてタンクや樽に仕込みます。
3.仕込まれた諸味は時々かき混ぜる(攪拌=かくはん)しながら、発酵、熟成(6カ月)させた後、圧搾(搾る=しぼる(商品によっては搾らずそのまま垂れ落ちるのを待つのもある))します。
4.最後に搾った醤油は加熱(火入れ)をして発酵を止め、色味香りを整え本醸造醤油の完成です。
尚、個々で使われている種麹である麹菌は清酒やみその製造に使用される麹菌と同じ中です。これらの醸造物に麹菌(特に黄麹金と言われる)が使われれるようになったのは日本の気候・風土に大きく関係しています。
混合醸造方式
1.上記「本醸造方式」の手順2で作った”諸味”にアミノ酸液又は酵素分解調味液、あるいは発酵分解調味料を加えて、ときどき攪拌しながら、発酵、熟成させます(1カ月)。
・アミノ酸液とは
大豆や小麦グルテン等のたんぱく質原料を塩酸で分解し、
炭酸ナトリウム等で中和したものです・
・酵素分解調味液
脱脂加工大豆や小麦グルテンなどの植物たん白を酵素剤
などにより分解し得られた液体調味料です
・発酵分解調味料
脱脂加工大豆や小麦グルテンなどの植物たん白を
麹により発酵させ分解して得られた液体調味料
このアミノ酸液又は酵素分解調味液、あるいは発酵分解調味料は「きあげ醤油」に80%以下の割合で添加できます。
2.発酵・熟成した「諸味」を圧搾したあと加熱して殺菌して「混合醸造醤油」が完成します。
この製造方法は戦後に新たに作り方です。
混合方式
上述、本醸造方式の手順3までで作った火入れ(加熱)した「きあげ醤油」にアミノ酸液、又は酵素分解調味料あるいは発酵分解調味料を80%以下の割合で添加し攪拌調合します。
こちらの製造方法も戦後に新たに作り方です。
このように、混合醸造方式と混合方式の差は生揚げ醤油とアミノ酸液、又は酵素分解調味料あるいは発酵分解調味料を混ぜて
発酵、熟成させてから火入れするのが混合醸造方式
すぐ火入れするのが混合方式
となります。そう言えば以前、アミノ酸液、又は酵素分解調味料あるいは発酵分解調味料に使用されている技術であるたんぱく加水分解物について下記のような投稿をしたのでご紹介します。
ちなみに他の種類の醤油の本醸造づくりでの製造法をサラッと伝えます。
他醤油の本醸造製法
うすくち醤油
濃い口醤油と同様に醤油麹を作りますが、20%塩分の多い食塩水を足して
諸味(もろみ)を作ります。
その後の発酵、熟成、圧搾するところまでは一緒です。
この圧搾したきあげ醤油に蒸した米を種麹と混合させて糖化させた甘酒と混ぜ、きあげ醤油を作り、火入れをして製品となっていきます・
たまり醤油
濃い口醤油は蒸した大豆(脱脂加工大豆)と小麦を混ぜ種麹を加え”醤油麹”を作りますが、たまり醤油では大豆と少量の小麦で棒状の味噌玉を作り、これに種麹を作ります。
味を濃くしたいため、塩分は濃い口醤油より4割程度少ない食塩水を使用します。発酵期間は濃く口醤油より長い半年以上1年程度です。
鎌倉時代に中国から伝わった製法はこの”たまり醤油”の製法だと言われています。
再仕込み醤油
醤油玉を作るところまでは濃い口醤油と同じですが、諸味(もろみ)を作る時に食塩水の代わりに、きあげ醤油を使います。”再仕込み”醤油”の言葉の由来はきあげ醤油で仕込むからです。
しろ醤油
たまり醤油や濃い口醤油と比較しごく僅か大豆しか使用しません。なるべく淡い色を作るために大豆は炒った後に皮を取り、小麦は精白し蒸して使用します。色を淡くするため諸味(もろみ)の仕込み期間は3カ月と短いです。
醤油と言っても、本醸造、混合醸造、混合方式と本当に様々ですね。大量生産や製造期間の短縮、見映え、コスト削減等の理由でいろいろな工夫をしてきたのではないかと思います。
でも個人的な感想としては一番大切なのは、「医食同源」で美味しく安全で健康のために薬用効果の高いお醤油だなと思いました。
皆さんが使っているお醤油はどんな製造方法だったでしょうか?
次回はたまに見る
「生しょうゆ」とは何か?
を中心に書きたいと思います。
本日の情報も下記サイト及び書籍「しょうゆの不思議」(日本醤油協会)を基に書きました。
冒頭の画像はフォトACから使用させていただきました。いつもありがとうございます!
今日も最後まで付き合っていただきありがとうございました。
今週も皆様にとってよい一週間になりますように!
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