Webサイトも、名刺も、チラシもいらない。フリーランスの始め方と跳ね方
こんにちは、イデトモタカ(@idetomotaka)です。
野性爆弾のくっきー!さんが好きで、よくいろんな動画を観ます。芸人さんなので、基本は「お笑い」ですが、めずらしくインタビューで真面目に受け答えしているものがありました。
そのなかで、「転換期は?」という質問に対し、独自の「3打席理論」という売れる芸人のセオリーを展開していました。
これは、ぼくにも心当たりがあります。実際にぼくも、3つ、大きな仕事でどんと「跳ねた」経験をした後から、すごく安定して、充実して、自分で言うのも変ですが「売れた」と実感しました。
今回はこの「3打席理論」を深堀りし、フリーランスにとっての成功ステップについて、実体験をベースにぼくなりの考えを伝えたいと思います。
■5秒で読みたい人向け(まとめ)
■結論:一番の広告は仕事そのもの
フリーランスとして独立したとき、まず最初になにをするのか。一般解としては、webサイトをつくったり、名刺を刷ったり、チラシを書いたり。
つまり、一言で表現すれば「マーケティング」活動です。もちろん、間違ってはいません。とにかく「売る」ことが最優先事項であり、「売れ」さえすれば、細かいことはどうとでもなるからです。
なので、どんな業種業態でも、まずは「マーケティングだ」と。曲がりなりにも、ぼくもマーケターの端くれですから、否定はしません。
でも、ぼくも、ぼくの周りも、誰もそんな始め方はしなかったし、それでうまくいった人を、正直知りません。ぼくも、ぼくの周りのうまくいっているフリーランスの人間も、webサイトをつくってさえいないし、チラシも見たことがありません。
じゃあ、どうやって仕事を得ていったのかというと、矛盾するようですが、それは「仕事」をすることによってです。
■無所属の芸人と同じ
冒頭でくっきー!さんの話をしましたが、芸人さんはまだ知名度も実績もない頃、どうやって「仕事」のオファーを受けるのでしょうか。仮にあなたがオファーする側だった場合、どうやって声をかけるでしょうか。
まず間違いなく、その芸人さんの「ネタ」を見て、決めるはずです。無名だろうが、歴が浅かろうが、他所の劇場で見た「ネタ」が面白かったなら、ぜひ自分のところでも、となるはずです。
フリーランスでも基本は同じです。ぼく(あなた)の「仕事」を見て、ぜひうちもと声がかかります。要するに、アウトプットが先なのです。アウトプットが先で、自分の「仕事」を見てもらっているからこそ、相手は安心して(それなりに)大きな仕事でも任せようかという気になります。
「仕事」を見ていないのに、マーケティングで興味をそそっても、保障がないので「じゃあ、とりあえずお試しで」という仕事ばかりで、ステージが変わるような大きな仕事にはなかなかつながりません。
■マーケティングはレベルが高い
すべてを自分でする必要があるフリーランスは、もちろん営業も基本的には自分で行います。このとき「マーケティングだ!」と思ってしまいがちですが、新米段階では、はっきり言ってかなり難易度が高いです。
前提として、仕事を依頼する側は、可能であれば「一番の人」にお願いしたいと思っています。大事なのでよく理解しておいてください。
もちろん、お金の都合や、時間や場所の制約が発生するわけですが、それでも理想は「一番の人」です。そこから、どれだけ妥協できるかです。
そして一般的に言われる「マーケティング活動」とは、「知らない人のなかで一番」になろうとする(そう思われるための)行為です。難しくて当たり前なのです。
■マーケティングの3つのレベル
便宜的に、マーケティングを「一番の人」と認知してもらう活動と定義したとします。理由は、みんな「一番の人」に仕事をお願いしたいと思っていて、「一番の人」と認められれば、仕事の依頼があるはずだからです。
では、どのようにレベル分けされるかというと、
です。(1)が実現されていないのに、(3)に挑むのは無謀です。もし、そもそも(1)の「知り合いのなかで一番」さえも難しいのであれば、商品やサービス内容をもっと絞るか、自分の価値を高めるかして、一番になることをまずは考えなければいけません。
それこそが、(セルフ)ブランディングでもあります。
そして、最初は自分が見渡せる範囲の、「知り合い」からの仕事に応えるしかありません。けれどお伝えしたとおり、そのときの「仕事(アウトプット)」こそが、より大きな仕事への広告であり、より大きな仕事につながる「ネタ」になります。
■納品するのではなく伝説をつくる
ぼく(あなた)の仕事を見ることで、次のぼく(あなた)の仕事が舞い込んできます。本当に、ほんとうに、みんな、見ているものです。
芸人さんの例えに戻ると、例えローカル番組であれ、伝説回(神回)になれば世間はざわつきます。でもそれは、一回では足りません。くっきー!さんの言うとおり、三回、伝説をつくることができれば、世界が変わります。
毎回そうできるわけではないのは承知してますが、でも意識の上では、仕事を「納品」するのではなく、新たな「伝説」をつくる気持ちでいましょう。
そのためには、よく言われることですが、期待どおりでは足りません。期待を遥か超えるために、発揮できる価値を日々高めつづける必要があると思っています。それを面白いと感じられる人が、フリーランスに向いているのかなとも。
■BtoCビジネスの場合は?
フリーランスのなかでも、クリエイターより職人寄りの人。美容師や自分のお菓子やケーキを販売するパティシエだったら、どうすればいいのか。あるいは、業務範囲の決まっている税理士や弁護士、納品物が定義されているプログラマだったら?
それでも同じです。一人ひとりの顧客のなかでの「伝説」をつくることを目指します。それは「この髪型、人生最高!」かもしれませんし、「こんなおいしいお菓子、すてきなメッセージ、生まれて初めて!」かもしれません。
サービスの標準化は重要ですが、それも供給先(需要)あってのことです。その前にまず、顧客にとってあなたが「一番」の実現が優先です。
■誰しも“自己実現”したい
もう二つ、重要なことをお伝えします。一つは、誰しも「自己実現」したいのだということ。二つめは、誰しも「うまくいく人」と付き合いたいのだということです。
この二つは、同じことを違う角度から言っているに過ぎません。
別の記事でフリーランスは「タグ付け」が重要だ、という話をしました。最強の「タグ」は、「あの人は自己実現させてくれる」と「あの人とやればうまくいく」です。
これは目に見えないタグですし、相手にとっても無意識下のタグですが、本当の意味で成功している人というのは、そういったタグを周囲から付けられているはずです。
■そういうタイプの仕事じゃない
最後に、これまでいろいろ述べてきましたが、「自分はそういうタイプの仕事じゃない」と思った人(フリーランス)もいるかもしれません。
「伝説」になるような付加価値をつくることはできず、規則的な型にはまった商品やサービスを、同業者と同じように提供することしかできない、と。
そういう方に対して、ぼくからなにか言えることがあるとすれば、「でもその仕事を選んだのは、あなたですよね?」ということだけです。
■まとめ
最後までお付き合いくださり、ありがとうございます。また書きます。
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