AIには導き出せない「正義とは」の最適解
今から14年ほど前、2010年8月25日に東京大学で行われた「ハーバード白熱教室@東京大学」では3つの正義の概念をもとに「正義」について討論がされました。
3つの正義の概念
最大多数の最大幸福に軸を置く功利主義
人間の尊厳に価値をおくこと
美徳と共通善をたたえ育むこと
下記の話が例としてあげられています。
ミニョネット号事件
イチローの年俸は高すぎる?
東大の入学資格をお金で買えるか?
「ミニョネット号事件」は非常にセンシティブな話ですので、ここでは具体的に述べませんが、「トロッコ問題」同様、最大多数の最大幸福を取るか、またはそうではないかが論点となるテーマです。
「イチローの年俸は高すぎる?」は当時、メジャーリーグで活躍していたイチローの年俸が高いかが例として挙げられ、教師の収入、アメリカ大統領の収入と比較すると高い収入であるため、正当であるかが論点となっています。
「東京大学の入学資格をお金で買えるか?」に関しては、多額の寄付と引き換えに最高学府である東京大学に入学させる権利を与えても良いかというテーマです。
功利主義の男性東大生が終始いじられていました。
大勢の中で、それぞれが自分の意見を主張し、マイケル・サンデル教授の問いに堂々と回答していました。
生徒の回答を否定するのではなく、回答者の意図をくみ取り、客観的な視点で問いを投げかけるサンデル教授の講義の進め方は素晴らしいと思いました。
正義について取り組み考えることは、哲学者の中だけでは終わらない。
正義に関して、3つの正義の概念を知らない一般市民であっても考え、答えを見つけることができるとサンデル教授は言って締め括っていました。
この講義を見て、ディベートすることの重要性を改めて気付かされました。
その時その時の「問題」に対して、みんなで話し合って決めることは、民主主義の基本であり、望むべき決め方なのだと思います。
AIがより高度に発展したとして、みんなで話し合い、決めるという行為は到底真似できないのではと思います。
【参考】
ハーバード白熱教室@東京大学
https://tv.he.u-tokyo.ac.jp/lecture_4191/
マイケル・サンデルの白熱教室@東北大学 (1/4)~(4/4)
https://www.youtube.com/watch?v=-npwdBWgP9A
※東北大学での講義動画もあるので参考までに