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【社会科】論理的な思考力を鍛えよう!フェルミ推定を取り入れた授業

こんにちは。いかたこです。
中学校で社会科の教員をしています。
noteでは、授業がより楽しくなるアイデア(授業のタネ)を発信しています。

今回は、フェルミ推定を取り入れた授業を紹介します。

社会科はどうしても暗記教科というイメージが強く、知識に重点が置かれてしまいます。

そこで、思考に振り切った授業をしたいなと思い、見つけたのがフェルミ推定でした。

フェルミ推定とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

有名な問題としては、

・今地球上で寝ている人の数は?
・日本にある電柱の本数は?
・東京都内にあるマンホールの数は?

などがあります。

論理的に物事を考え、仮説を立てる力が必要なフェルミ推定
実際に企業の採用面接などで出題されることもあるそうです。

以下では、私が実際に行った授業を紹介します。
よろしければ、最後までご覧ください。

問題

” 大正時代の東京駅の1日の利用者数(乗降者数)は? ”

中学3年生・歴史的分野・大正時代の文化

*インターネットを使って、必要な情報を集め、それらをもとに概算をするという活動にしました。
フェルミ推定のイメージとは異なりますが、何もなしでは概算するのも難しいので・・・


授業の流れ

①フェルミ推定について説明する(2分)

②グループごとに考え、答えを出す(30分)

③各グループの答え・考え方を共有する(15分)

④まとめ(3分)


答えまでの過程

現在の東京の人口 : 大正時代の東京の人口
 = 現在の東京駅の乗降者数 : 大正時代の東京駅の乗降者数

この考え方で概算しているグループが1番多かったです。
ですが、大正時代は都市でも格差が広がっており、現在のように多くの人々が鉄道を利用できたわけではありませんでした。
このことを計算式にどのように反映させるか、苦戦しているグループが多かったです。

その他には、

・電車1本当たりの平均乗降者数 × 電車の本数
・東京駅1日の平均売り上げ ÷ 電車賃の平均

などがありました。

どのグループも、自分たちで工夫しながら取り組んでくれました。


よかった点

・多くの生徒が興味を持って取り組んでくれた

・生徒たちが考えることを楽しんでくれた

・他のグループの考え方に興味を持ってくれた

生徒が楽しみながら、「ああでもない、こうでもない」と協力し合って取り組んでくれたのは、授業者としてもとてもうれしかったです。(^▽^)

また、生徒主導で授業が進んでいくので、私が前で話をする時間もとても少なかったです。


改善点

・知識の量が少ない(テストに出ない)

この授業で得られる知識は、大正時代に東京駅ができたことと、当時の東京の様子くらいで、とても少ないです。
もう少し得られる知識があるといいかなと思います。

・がんばって調べたら答えが出てくる

答えまでの過程を大切にするフェルミ推定ですが、概算せず答えを見つけようとする生徒がいるかもしれません。


まとめ

生徒からも非常に評判がよく、またやりたいという声も多かったです。

みんな難しいと言いながらも、楽しそうに取り組んでくれました。

何人もの生徒が興奮気味に感想を言いに来てくれたので、少しでも生徒の知的好奇心を刺激できたのかなと思います。

いつもの社会科とは少し違った授業になるので、授業者としてもフェルミ推定を取り入れた授業はとてもおもしろかったです。

また、他のフェルミ推定の問題ができたら、noteに投稿します。

最後までご覧いただきありがとうございました。

今後も授業のタネを発信していきます。お楽しみに。


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