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暮らしの中で

無印良品に売っていた鍋が、可愛いなと思った。
小ぶりのものと、もう一回り大きいもの。
1人用と、みんなでつつく用。
仕事終わり、缶ビール片手に1人で食べる鍋も、みんなでわいわいと、あれこれ話しながら食べる鍋も、どっちもいいよなあと思う。
深さのあるフライパンや、ステンレスやアルミの鍋でも作れるけれど、やっぱり土鍋の方がそれっぽくて、2、3割増しで美味しく感じられるような気がしている。
とはいえわざわざ新しい土鍋をお迎えするほど頻繁に鍋を食べるかというと、そうでもないというのが私の現実でもある。
結局買ったのは土鍋ではなく、この冬お世話になるダウンジャケットだ。
それなりのお値段だったので、たくさん着て、うちの子にしてしまおう。


水曜日、仕事休み。
1番仲のいい友人と、女子会をする。
野菜をたっぷり使った定食や、カレーが食べられるお店を予約した。
木の温もりが感じられる店内は、あっという間にお客さんでいっぱいになった。
私は週替わりの定食を、友人はキーマカレーを注文した。
せっかくだし、とデザートと飲み物も付けた。

まず、使われている食器がとても可愛い。
小さい小鉢が沢山あって、色々なものを少しずつ楽しめるようになっている。
柚子が効いたサラダ、柿と油揚げの胡麻酢和え、車麩と根菜の煮物、紫花豆の甘煮…どれも美味しくて心が躍る。
ゆっくりと味わいたいのに、美味しくて次々に食べ進めてしまう。
メインのおからこんにゃくの蒲焼は、ヴィーガンメニューのはずなのにお肉みたいな満足感が感じられた。
味もとても美味しく、目でも楽しめる素晴らしいお昼ごはんであった。

デザートの、黒糖とバナナのシフォンケーキを食べながら、「来年は25歳になるんだね」としみじみ話す。
20代の半分を生きた、ということになる。
早いようにも感じるけれど、それなりに色んなことがあって今ここにいる、という感じもする。
高校入学の時に出会った私たちは、今までたくさんの思い出を作ったし、これからも作れたらいいなと思う。
いつしか会話の内容も現実的なものが多くなり、ただただ勉強や部活、推しの話ばかりしていられなくなった。
けれど、くだらない話もこれからまだまだたくさんしたい。
大人と呼ばれる年齢になっても、高校生に戻ったみたいに馬鹿笑いしたい。
来年はまたどこか旅行に行こうよと話して、その前に、年内にまた会おうねと約束して別れた。
彼女との時間は私に取ってかけがえのない、大切な大切なものだと再認識した。


今日の夜は、行きつけのカフェでライブがある。
常連のおじさんが、歌を歌ってくれるらしい。
数回カウンターで一緒になったことがあって、物腰柔らかく、博識で、お洒落なおじさんという印象だ。
夜に出歩くのは久しぶりだから少しそわそわしているけれど、明日も休みだし、ライブなんて中々行けないし、楽しむつもりだ。
夜だから紅茶ではなくて、せっかくだからお酒を飲もう。
さっそく、新しく買ったダウンを着ていこう。
母から譲り受けたリングもつけて、冬物のブーツを履いて。
今日はよく晴れていて、空気が澄んでいる。
夜まで楽しみ尽くしたい、そんな水曜日である。

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