【怪談💀】エメマンの悪夢
夏が来る度に思い出す
私の身に降りかかった
世にも恐ろしい出来事ついて
本日は一席お付き合い頂ければと思います。

とある8月のことなんです。
日差しがピークに達する午後13時
私は東京の住宅街の真ん中で
配達をしていました。
気温は35度を上回り
茹だるような汗
トロける視界
セミの発狂
私は暑さで朦朧ながら
お届け先から
次の配達物を取りに行く道すがら
とある自販機に立ち寄ったのです
それが不幸の始まりでした。
身体から相当に塩分が
抜けている自覚があったので
迷わずに3列あるアクエリアスの
一番左のボタンを押したのです。
ゴトン!
すると何故だかエメマンのミニ缶が
勢いよくでてきたのです。
不可解に思った私は
朦朧とし過ぎて
ボタンを押し間違えたと思い

繁々と見つめると
アクエリアスの両隣に
エメマンの姿はなく
下段にあるではありませんか。
これまで右左の押し間違いはあれど
はてはて上下を間違うかな…
いよいよ暑さで頭がバカになったか。
不思議なこともあるもんだと思い
一応念のため
真ん中の
アクエリアスのボタンを押すと
ゴトン!
なんと!?
またジョージアの缶が出てきたのです。
私は少し寒気を覚え
(はっあぁ??)
とジワジワと湧き上がる怒りも…
干上がったカッパは
努めて冷静になろうと考える
(ハハーン…
これは確実に入れ間違いだな)
この暑さで
補充のニイチャンも頭が
おかしくなったのだろう。
同じブルーだし
しかしだ…
ペットボトルの列に
缶コーヒーを入れ間違うかね。
ボトラーズも地に落ちたもんだ…
とブツクサ文句を浮かべるも

私はどうしてもアクエリアスを欲していた。
すでに2本も買ってしまったが。
エメマン2本では
喉が焼けつく…

私はアクエリアスの
一番右端のボタンを試さずには
居られなかった。
付近に自販機はない。
日差しは益々強まり
私はどうしても塩を補給をしたかったのだ。
ゴトン!!!

キャーーーーー‼️
私はプルプル震えだして
増殖するエメマンに恐れをなし
後退りした。
初めから私は虚像に騙されていたのだ。
爽やかなパッケージの皮を被った甘悪魔が3列も牛耳っていたのだ。
入れ間違いというか
これはもう人智を超えた
悪意としか考えられない。

私はようやくアクエリを諦め
麦茶を買うことにした。
ゴトン!!!!
ん……??
私はパニックに襲われた。
あたりをキョロキョロ見回す。
違うんですよ
側から見たら
先輩職人にエメマンをパシられてる
子分にしか見えない
ダメ押して水を買ってみた
ゴトン!!!!!
私は慌てて駆け出した
全てがエメマンだった。
そんなことが身の上に起こって
狂想を覚えた
梶井基次郎の檸檬の主人公の様に
まだあるかな…
あの自販機…
恐ろしすぎて
暑すぎて
クレームすらつけられなかった
あの夏の恐怖体験。
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