私の武器
明日から遂に、12日間の実習が始まる。
今日は1日お家でのんびり過ごして、心も身体も温存している。不安も緊張も、春に配属先が発表されてから一度も拭えたことは無かったけれど、それはそれで私らしいなぁと思う。それに、6ヶ月も同じことを心配し続けていた私って、どれだけ心配性なんだよ、って少し笑えてさえくる。
担任の先生に必要な連絡のメールをしたとき、素直に不安と緊張が強いと書いた。そこで送られてきた言葉が、私をハッとさせてくれた。
これまで私は、ずっと気を付けなければならないこととか、忘れてはいけない書類のこととか、日誌のつけ方、利用者さんとの関わり方、そして職員さんに確認すべきこととか、そういう大事なことばかりで頭がいっぱいだった。もちろん、忘れちゃいけないし、頭に入れておかなきゃいけないことだらけ。でも、そんな私に先生は、私の『いつも通りの笑顔』がきっと良いスタートを切る鍵になると伝えてくれた。
私は、人前にいるときは必ず笑顔でいるようにしている。別に無理している訳ではなくて、いつからか自然と、笑顔でいられるようになった。挨拶するときや話すときは決まって笑顔。その方がきっとお互い気持ちがいいと思うから。ここ数日の私は、それをすっかり忘れていた。それより大事なことに気を取られすぎて、基本的な私らしさを見失っていたと思う。それに気づかせてくれた。
私の笑顔は、恐れ多いことにこれまでたくさんの大人たちに褒められてきたと思う。バイト先とか先生とか。とにかく、笑顔が素敵って言ってもらえたし、私らしさに繋がるひとつの武器だ。どんなに相性が合わない人でも、笑顔だけは褒めてくれたし、笑顔だからこそ人との繋がりが広がっていくこともあったと思う。先生のおかげで、私の武器の大切さを改めて認識できた。
明日からの実習も、どんなにキツくても苦しくても、笑顔で乗り切ってみせる。人前で泣くんじゃなくて、何を言われても笑顔で過ごす。泣いても誰も助けに来ないって育てられたからこそ、私の武器は笑顔になったんだと思う。両親からの教えを、ここで活かせるはず。笑顔で真面目に正面から向き合っていれば、上手くできないことがあってもきっといつかは報われるって、これまでの経験でたくさん学んできたじゃない。きっと大丈夫。私ならできる。たとえ怒られたって、成長するための実習なんだから気にしなくていい。とにかく笑顔。私らしさ全開で、夢を叶えるための1歩を新たに踏み出してみせよう。
できなくて当然。分からなくて当然。
誰だって最初は初心者だ。