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こんなにあった!LGBTQの視点で振り返る20年度の企業広告

大家好!一條心です。僕は、シンガポールに住んでいて台湾出身の旦那さんがいるゲイです。さて、新年度ということで、新社会人で今年就職された方も、社会人の方で部署異動や役職が変わった方などもいるかと思います。昨年度は日本でも多くの企業でLGBTQ関連の企業キャンペーンが展開されるようになりました。今回は、代表作をおさらいです!

1.パンテーン(P&G) #PrideHair この髪が私です。

“自分らしい髪”で一歩踏み出すすべての人を応援。トランスジェンダーの就職活動にフォーカスしたP&Gパンテーンの #PrideHair キャンペーンです。

 LGBTQの中でも、就業に際して困難が多いのがトランスジェンダーです。僕はゲイですが、多くの場合ゲイやレズビアンは、面接や職場で自発的にカミングアウトする必要がありません。もちろん異性愛者であることを前提にした職場での何気ない会話「彼女/彼氏いるの?」といった会話などからストレスを感じることはあるでしょう。しかし、トランスジェンダーのように戸籍上の性別(出生時のカラダの性)とココロの性が異なる場合、“自分らしく”振る舞うこと自体にハードルがあり(周囲からの理解が必要)、それは簡単なことではないでしょう。“自分らしい髪”をテーマに、トランスジェンダーの就業問題に真摯に向き合った本キャンペーン、当事者への応援だけなく、当問題の社会的な認知度向上にも大きく貢献したと言えそうです。

2.Netflix #あたりまえのことをあたりまえに言える時代へ

 毎年10月11日が国際カミングアウトデーであることはご存知でしょうか。この日を祝して、LGBTQ+が登場するNetflixオリジナルシリーズ作品の名シーンをキャプションする形で「#あたりまえのことをあたりまえに言える時代へ」をメッセージとして発信したキャンペーンです。

 本キャンペーンは、日本で同性パートナシップ制度が最初に始まった渋谷区にて大々的な路面広告が打たれたことから、街なかで目にした方も多かったでしょう。Netflixオリジナルシリーズは、LGBTQをテーマにした作品でなくても、登場人物の人種・性別の多様性が必ず担保されるように構成されており、その徹底ぶりには目を見張るものがあります。

3.パナソニック #ThinkYourNormal あなたの普通を問いかける

 私達が生きる現代の社会には「普通」という概念が蔓延して、それに生きづらさを感じる人が増えている。「細い方が可愛い」「背が高い方がモテる」「腕毛はない方がいい」「男だったら/女だったら こうすべき」「付き合うのは異性」──。本キャンペーンは、そんな社会が決めた「普通」の呪縛から解き放ち、自分だけが心地よいと感じる「普通」を考える契機になることを目的に制作されたそう。

普通の反対は異常じゃない。
また別の普通だ。

登場人物5名のそれぞれの日常を切り取りながら、
一人ひとりが「普通」を考えるきっかけを届けます。
誰もが自分にとっての幸せを、人生を、選べることを願って。

 いかがでしたでしょうか。LGBTQ関連の企業キャンペーンは外資系企業が先行する形で展開されてきましたが、パナソニックのような日系企業も大々的に参画してきたのは20年度の新たな動きであったと言えるでしょう。今年もどんなキャンペーンが登場してくるのかされるのか楽しみです。

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