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リワーク日記76 メンタル休職経験者が遺伝子検査を試して分かった無理のない生き方

今週も少しずつ例の炎上案件と格闘し、問題の範囲を当初の10分の1以下にまで絞り込むことができました。あと一歩です。

本来、初心者の私の手に負える案件ではないのですが、前職の経験も頼りにしつつどうにかこうにか対処しています。

相変わらず取締役は安全なシェルターの中に身を置いてご機嫌に指示を飛ばし、取締役が引き込んできたお偉方は勝手なスタンドプレーで話をこじらせ、おそらくその責任は私になすりつけられているだろうことは明らかという全く楽しくない状況です。何だそれ?

協力してくれる人と頑張るしかありませんが、私も好きにさせてもらおうかと思う今日この頃ではあります。もう疲弊してグッタリです。

さて、最近遺伝子検査を受けてみました。検査キットを購入して取り寄せて、唾液を容器に入れて返送するだけで遺伝子を検査してくれて、疾患リスク(例えば胃がんになりやすいか、高血圧のリスクは高いか等)や遺伝的に持っている行動や性格傾向(他人と接するのが得意か、知的好奇心が高いか等)、それに祖先のルーツ(南方から日本に入ってきたのか、縄文系の遺伝子をどの程度持っているか等)などをレポートにまとめて教えてくれるというサービスです。

数年前から気にはなっていたものの、究極の個人情報であるDNA情報を第三者に手渡すことへの抵抗感から今まで敬遠してきていましたが、得られる自分についての情報の価値の大きさを、リスクよりも高く評価すべきだと考えるようになり、検査を受けることにしました。

特に関心が強かったのは行動特性や性格に関わる部分です。それらは遺伝子だけでは決まらず、環境や生い立ちにも大きく左右されますが、DNAという設計図にはそもそもどのような人物像が想定されているのかは知っておきたいと思うようになっていました。DNA上の設計図と、実際に形成され現れてきている特性のズレは、環境に適応するための柔軟な変化、もしくは無理をして合わせているということを意味しているのかもしれません。メンタル不調による休職を経験し、無理をしてきてしまったことへの反省から、そのズレを把握しておきたいと考えたのです。

私が利用したのは、「GeneLife」というサービスです。検査キットを返送してから約1ヶ月。この度無事に結果が返ってきました。

実に興味深い結果でした。例えば、不確実なことを恐れる傾向が強く神経質でネガティブ思考になりやすい一方、新しい経験を好み、損害を被るリスクを低く評価する傾向があるそうです。確かに、普段は不安を抱えがちで慎重なのに、時に大胆で損失を恐れずリスクを積極的に取りに行く場面がよくあるのは事実です。実は今まで自分でもこの矛盾を孕むような傾向は自覚していて不思議に思っていたのですが、遺伝子の設計によるものだったのだと腑に落ちました。

この辺りを言い当ててくれた性格分析はこれまでなかったのでお見事でした。

そして、GeneLifeでは性格検査と遺伝子検査の結果を5つの項目で比較してくれて、それによって私が関心を持っている遺伝子と実際の性格傾向のズレを知ることができました。

それによると、協調性と新しい事への関心の強さの2項目については、遺伝子による設計と実際の行動・性格傾向が合致していました。

反対に合致していなかったのは、人と接する事への積極性、慎重さ・心配性の度合い・繊細さ、自分をコントロールして責任を果たす勤勉性の強さの3項目でした。

まず、対人関係への積極性は、遺伝子では比較的高めだそうですが、現実には社交性は低いです。これは意外な結果で驚きました。社交性が高いという私の遺伝子は一体どこに行ってしまったのでしょうか?その社交性を活かして私の身体の外に出ていってしまったのではないかと思うほど私には無縁の遺伝子だと思っていました。ですが、ここが低く抑制された形でしか出力されていないということは、人と接する時に自分を無理に抑えているとも解釈できます。闇を感じますね。なにせ、「得意」が「苦手」になってしまっているのですから。

次に慎重性・繊細性ですが、遺伝子では「標準」、性格分析では「比較的高い」でした。つまり遺伝子が設計している以上に慎重に行動しているという事です。これも無理をしている部分です。実態以上に冷静に振る舞う必要に迫られているというのは体感的にも思い当たります。そうせざるを得ない環境がそうさせてきたのでしょう。

最後に勤勉性です。これは遺伝子では「勤勉性はやや低い」で、性格分析では「勤勉性は標準的」だそうです。「努力することがあまり好きではなく、勉強や仕事などもついサボってしまうこともある」というのが遺伝子が設計した私です。これは笑えますね。やはり無理に仕事に励むのは私の設計図に反する危険な行為なのです!既に今の時点でも設計値を超える勤勉性で無理やり自分を酷使しているのですから、メンタル面でのバランスを崩してしまったのも当然かもしれません。私はもっと怠惰に生きなければならないのです!!働きすぎ禁止です!!

「無理をしない」とよく言いますが、その具体的な意味は判然としません。どのような状態が無理のない状態なのかは人によって異なるためです。ある人にとっての無理のない状態は別の人にとっては単なる怠惰や無理そのものだったりします。

私自身、このリワーク日記で散々「無理をしない」と書いてきましたが、私にとっての「無理をしない」の意味がこの遺伝子検査のおかげで一段明瞭になりました。

それは、対人関係が必要以上に苦手だと思わないこと、慎重さはほどほどに、そして仕事はもっと手を抜くべき、ということです。

もちろん「本来の自分」は何を根拠にして語るべきか、とても難しい課題です。生い立ちや環境に適応して身につけた現在の自分も間違いなく本当の私です。それを否定する必要はまったくありません。設計図にそう書いてあるからといって、実際の製造がその通りに果たされるとは限りません。設計図と違うからといって、それが欠陥であるとは限りません。厳しい現実に柔軟に合わせて現実的な解を出した涙ぐましい成果とも言えるからです。

ですが、DNAでプログラムされた私自分の特性を知っておくことには意味があります。自分では無理しているつもりはないのになぜか疲れるなどの場合、それはプログラムに反しているからだと考えることで、自分を酷使する手前で制御できるかもしれません。その判断のためのひとつの材料として遺伝子検査の結果を活用するのは、そう間違っていないと思います。

私もこれからは堂々と、勤勉に働くことは私の遺伝子に反すると主張して仕事をセーブすることにしたいと思います!!

なお、念の為書いておきますが、ここで書いた遺伝子検査の理解や解釈は私独自のものであり、科学的に証明され認められた解釈から外れている可能性がありますので、もし参考にしようと思われている方は慎重にお願いします。また、遺伝子検査に関する研究も日々更新されており、結果が変わる可能性もありますのでその点も注意が必要です。

ということで、今回は炎上案件に付き合いつつ、少し違ったテーマの記事を書きました。自分に対する理解が深まった気がします。来週くらいには炎上案件も完全解決できると良いのですが、どうなるのでしょうか?次回も楽しみにしてください。

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