究極クッキング①『ハンバーグラーメン』
近所に物凄いシェフがいる。
いつもテレビばかりみて出勤しているところは見たことがないが、自称凄腕シェフとの事だ。
ミシュランから星をたくさんと、ポケモンのDVDをたくさんもらったと話していた。
お話を聞いて気になるとこがあったので、わたしは近所の小学生と一緒にシェフが特別に開いてくれたクッキング教室で習う事にした。
一回の受講料が1000円なのだが、ここでみんなにそのレシピを披露しようと思う。
レシピ①『ハンバーグラーメン』
用意するもの
・挽き肉
・塩、こしょう
・ハンバーグ
・ラーメン
・おもちゃ
作り方
①挽き肉と塩こしょうを混ぜ合わせ冷蔵庫に片付ける。
②ハンバーグとラーメンを合わせる。
③シェフが台所でゴソゴソやっている間、わたしたちは、おもちゃで遊んでいる。
ハンバーグとラーメンを合わせたのがハンバーグラーメンだが、それはシェフが食べる。
わたしたちは隣り部屋でのポケモンのDVDを見ているからそれどころではないのだ。
大事な時に、悠長にご飯なんて食べていられない。
何が大切か、何が大事かわたしたちはわかっている。
制限時間が一時間なので、おもちゃで遊びなから見ないといけない。
社会人は節度ある行動をしなければならない。
お腹が空いていても、民家やお店のドアの下に置いてある盛り塩の塩を勝手に舐めてはいけないのだ。祖母からの教えだ。そして、道に咲いているよくわからないお花も。
帰宅して、今、これを書いている。
「1000円どこに持っていった!?」
冷蔵庫を開けたり閉めたりしていると、母が訊ねてきた。
渡されたお昼ご飯代をわたしがみんなの為に使ったというのがバレたのだろうか?
時々、母はエスパーではないかとさえ思ってしまう。
だとしたら、その血を引き継ぐわたしも、超能力を使える可能性があるからにして、わたしは、グッと全身に力を入れ念力で台所の物を動かそうとした。
うんこをちびったので、お風呂場へ急ぐ。
ここで賢くない人はトイレへ行くのだが、わたしはすぐお風呂場へと判断ができる。
その判断能力の高さを自慢すべくパンツをInstagramにアップしようと写メ撮っていたら、母にビンタされそうになった。
キムタクより賢い記事をアップしたら、キムタクが可哀想、そういうことなのかもしれない。
どうしよう、ほんとに今お腹が空いている。