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2021年の10曲

時は既に2022年ではあるが、去年の忘れ物、2021年のマイベスト10曲をここにまとめたい。

①未来を拾いに/aiko

aikoはどちらかというと切なさ全開の苦しい曲のほうが好きなので、この曲の存在は知っていたけどなんとなく聴き流していた。
ある時映像で見た、ライブでこの曲を飛んで跳ねて歌うaikoの姿。聴けば聴くほど、見れば見るほどに、あまりに彼女自身を体現している曲だった。コロナ禍で少なからず閉塞感を感じていた日々に希望の光が差すようだった。
aikoにしては、言っていることがとてもシンプルでストレート。少しも捻くれていない。だけど、10数年aikoの曲を聴き続けてきた身からすれば、この歌詞を迷いなく書けるようになるまで、時間がかかったのだろうなと推察する。1周回ってここに辿り着いたのかな。aikoどうなの?と聞いてみたい。
どんな毎日も、笑って、楽しい事を見つけて、前を向いて生きていきたい。
この曲をきっかけに、「楽しい」という言葉がいつからか私のキーワードになった。

何事もなく楽しく過ぎてゆく日々を 
つまらないと吐いたあの頃のあたしに
逢えたなら必ず言いたい
楽しい事なんてこの世には死ぬほど沢山あるのよ
だから笑うの もっと笑って逢いに行こう

②非売品少女/日食なつこ

無意識に少女性を大事にしている私からすれば、どう転んでも刺さる曲である。
これを少女性と呼ぶべきかどうかは微妙なところだが、生きづらい日々の中でも、自分を信じて、強くしなやかに生きていく女の子が好きなのだ。女の子って、かわいくて、キラキラしていて、みんなに保護されている生き物に見えて、案外現実的で、泥くさくて、いつも何かと闘っていたりする。
私も、そういう少女を心の中にいつまでも生かしておきたい。

火花散らして飛んでゆけ非売品少女
身の丈に合うか合わないかとか事後報告でいいよ
火花散らして飛んでゆけ非売品少女
悪い幻なんて見る暇もない速さで生きてよ

③よるのあと/adieu

深夜の音楽番組で聴いて、うわ、声も曲もめちゃくちゃ好きだ…と思ったにも関わらず、なんとなく素直に良いといえなくて遠ざけていた曲。
でもやっぱり、良いものは良いです。
聴いた人のほとんどが口を揃えて言うと思うけど、冒頭のフレーズが頭に焼き付く。
「優しさ」という言葉を言い換えればこれになるのかもしれないし、
一方で呪いのようでもあって(まさに歌詞の中に まじない という言葉が出てくる)
私はこの感情を知っている、と思う。
どうか、嘘などつかないで。あなたはあなたのままで生きていけますように。
それは大事な人に祈る唯一のことであり、私を忘れてくれるなという叫びでもある。

あなたが嘘をつかなくても生きていけますようにと
何回も何千回も願っている さよなら

④PresenceⅠ/STUTS&松たか子with3exes

選ばないわけがない1曲だった。
HIPHOP界隈には全く明るくないので、あまり語るのも憚られるが、
勿論、ドラマ「大豆田とわ子と3人の元夫」でハマった。
ドラマの構成、ストーリー、キャストの秀逸さもさることながら、
エンディング、タクシーの中でこの曲を口ずさむ大豆田とわ子、、、絶対みんな好きでしょ。
「大豆田とわ子」という人物の魅力が溢れ出るドラマだった。素直で不器用で、だからこそ愛すべき魅力的な人。そりゃ、3人の元夫もまた好きになっちゃうよ。
世の中の不条理や哀しみや切なさその他いろいろを全部受け止めて、日々を懸命に生きていく大豆田とわ子の姿に、
私もこんな大人になりたいと思った。
松たか子さん、最高です。(このあと、カルテット、ラブジェネレーションと松たか子祭りを勝手に開催している)

流れる時に立ち止まったとしても
自分の来た道は振り返らない
隠した気持ちは新しい朝に立てたコーヒーの苦さ
心の中に残る後悔が浅い眠りの中で蘇る
あの日のあなたはとても輝いて見えた
夢はもう醒めた

⑤しわあわせ/Vaundy

これまたミーハーなハマり方ですが、そう。令和版東京ラブストーリーでVaundyを知りました。
リメイクって往々にして原作を越えられないから観るものか、と思っていたけれど、
会社で話題になり、友人たちの間でも話題になり、その中の1人が「曲がめっちゃいい」と言っていたのをきっかけに観始めた。
ドラマがきっかけだったのもあるけれど、なんて東京が、都会が似合うアーティストなんだ。田舎者の私からすれば、こんなの夜のドライブでかけられたらイチコロです。
「しわあわせ」は歌詞はもちろんのこと、サビでいきなり音数が増えて開けたように盛り上がる構成、楽曲としての完成度が2021年一番(と言ってもいいくらい)刺さった。
共感するかと言われればそういう心情ではなかったし、どちらかというとnaporiの方がセクシーで好きなのだが、
どうしてもこの曲が聴きたくなってしまい、半年近く私のプレイリストに入っていた。
言葉遊びが面白く、色んな解釈ができる味わいのある曲。

変わらない 変われないよ僕ら
今もしっかり握っている
ちぎれない ちぎらないよ僕ら
今もしっかり繋いでる手

⑥不思議/星野源

そう、これもドラマです。思えばドラマをめちゃくちゃ観た1年だったみたい。
星野源の好きなところは、きっと一番最初はアコギ1本、ピアノ1本で生み出された曲なのだろうな、
と感じられるところ。アコースティックverが容易に想像できる。
そういう、手作り感というか、本当に身近なところから作ったんだろうなと想像すると、曲の内容も私が普段感じているようなことなのかも、と親近感が湧く。
まず歌い出しから、君と出会った水の中って…水の中で出会うって何?!とよく考えれば思うのだけど、なんか、感覚的にわかるのだ。
突拍子もないように見えて、実はすぐそこにあることを、源さん自身の世界の言葉に置き換えている。
源さんにとってこの世は、あなたと出会った場所は、水の中だったんだろうなと。
私も水の中であなたと出会いたい。
あと、くだらないの中に、の頃から、日常が垣間見える歌詞も大好きです。
私が大好きなフレーズは、タイトルにも使われているここでした。
家族以外の誰かと眠るたび、その人との関係性が最高でも最悪でも、同じ場所で眠る不思議を感じる。

躓いて笑う日も涙の乾杯も 命込めて目指す
やがて同じ場所で眠る 他人だけの不思議を

⑦目が醒めるまで/清竜人Duet with 吉澤嘉代子

かよちゃんの歌、今年は久しぶりに聴いた。
かよちゃんの鈴の鳴るような丸くて高い声と、清竜人さんの低くあたたかな声。
2人の声の高低差がとても心地よくて、まさにおやすみソングにしたい一曲。
バラードだけど曲調はメジャーで、終始甘くて優しくて切ない。
誰かを想う苦しい気持ちを、痛いくらいそのまま受け止めるのではなくて、
もういなくなったその人を想うことも、甘い夢なのだ。受け止められないから、甘い夢を見る。
それを分かってか分からずか、そこに浸っていたいと思ってしまう人の弱さ。
わたしもその夢の中にいるとわかっている。

孤独でいますか 貴女はきっと美しい儘だね
最後に言ったでしょう 街で出逢っても声は掛けられないわ

⑧恋人ごっこ/マカロニえんぴつ

レコ大、おめでとうございました!
追い切れてはいなかったけど、2020〜2021年とマカロニえんぴつが世に生み出した曲はとても多かったのでは。それはすなわち、それだけ多くの人を支え、救ったのだということ。
マカロニえんぴつの楽曲の魅力は、やっぱり独特の言い回しにあると私は思う。そして、どんな感情も否定しないで寄り添ってくれる。
そんなはっとりさんが言葉を棄てると言っているのが印象的。本当の愛を伝えるには、ごまかしの利く言葉などでは足りないよ、ということでしょうか。
私は、向こうからやってくるものである「運命」を「取ろう」と選ぶ表現をしたこの歌詞が大好きです。

「ねえ、もう一度だけ」
もう無しにしよう?そういう運命を取ろう
愛を伝え損ねた またこんな恋をしてみたい
恋をしてみたい

⑨特にない/藤井風

2021年、藤井風くんの歌を生で、同じ空間で聴くことができました。
風くんを最初に知ったのはYouTubeから。その時にはもうすっかりスターだったけれど、
ピアノ一本とは到底思えない音の厚さと、英語と岡山弁混じりの歌詞、手元も楽譜も見ることなく何かに憑依したかの如く自由に歌う姿。衝撃的で、ぐんぐんその魅力に引き込まれた。
一通り曲は聞いた上でライブに臨んだのだけれど、一番印象に残ったのがこの曲。静かなピアノのイントロのあと、曲名でもある「特にない」から歌い出しが始まる。MCや各インタビューでも話しているけれど、まさに風くんの生き方を体現したような曲。風くんの哲学はここにあるのだろうと思うのです。
どんなに時代が早く進んでも、便利になっても、風のようにありのままに、そんな生き方ができたらなあと願ってしまう今日この頃。

特にない 望みなどない
わたし期待せずに歩く
特にない 願いなどない
わたし身を任してる

⑩食べた愛/aiko

aikoおめでとうでしかない1曲です!
これが現実の恋愛を歌ったものなのか、いまなのか過去なのかわからないけど、結婚後に出した1枚であることには少し意味があると思っていて。
やっぱり、、、幸せそうだよね、この曲。この先にいる「あなた」のことが本当に大好きで愛おしくて、
そしてきっと同じように愛してくれているのだと実感できているのだろうな。
どんなに幸せでも、終わりを意識してしまう切ない苦しい曲こそaikoの醍醐味!と思っていたけれど、
終わらない愛に出会えたのかなあと、聴きながらこちらも幸せになってしまう曲。
タイトルにもある「食べた」という言葉、ここ最近のPVや歌詞によく食べる表現が出てくるように感じる。aikoの中で、食べることと愛は結びついているのかな。
あと、なんだかんだ言って、ちょっとあまのじゃくな、臆病なところが垣間見えるのも、aikoらしくて好きです。私も愛に生きたい。

あなたを想う日しか体に何も残らない
折り返す夜 もう少し起きてて

2021年は、とても楽しい一年でした。
いろんな人に会い、やりたいことをやって、行きたいところに行けた。
やっぱり誰かの顔を見て話す、同じ空間を共有する、実際に自分の目で見て耳で聞くのは、いいものだなと実感しました。
2022年も今しかないこの時を、1日も同じ日はない毎日を、全然違う1人1人を、愛して過ごしていきたいなと思います。
どんな人にも、少しでも多くの幸せが訪れる1年になりますように。

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