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四字熟語を考える―3

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「良禽択木」を考える

りょうきんたくぼく
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賢者は君主をしっかりと選んで仕えるということ。
「良禽」は賢い鳥のこと。
賢い鳥は、敵に襲われにくく、食べ物を手に入れやすい場所の木を選んで巣を作るという意味から。
「良禽(りょうきん)は木(き)を択(えら)ぶ」とも読む。
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「良」 物がすぐれてよい。質がよい。

「禽」 鳥類の総称。

「択」 差別

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「被害妄想」を考える

ひがいもうそう
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主に精神疾患にみられる症状で、特に根拠もないのに、他者から危害を受けていると思い込むこと。
「妄想」は間違ったことを根拠もなく信じること。
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「被」 ①頭からかぶる。こうむる。うける。
②おおいかぶせる。おおいをする。かばう。

「害」 ①きずつける。そこなう。悪い状態にする。
②わざわい。(その)人に直

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「倹存奢失」を考える

けんそんしゃしつ
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節約する人は生き残り、無駄遣いをする人は滅びるということ。
「倹(けん)は存(そん)し奢(しゃ)は失す」とも読む。
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「倹」 引きしめた生活をする。出費を控え目にする。むだな金をつかわない。つつましい。

「存」 ①ある。いる。生きている。
②持っている。あらしめる。

「奢」 過度に物事をりっぱに

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「射石飲羽」を考える

しゃせきいんう
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集中して必死の思いで事にあたれば、どんな困難なことでも成し遂げることができるということ。
楚の熊渠子が暗闇の中でうずくまる虎を狙い、集中して力いっぱい矢を射て確認してみると、虎ではなく大きな石に矢の羽までも深く刺さっていたという故事から。
「射石」は弓で石を射ること。
「飲羽」は矢の羽までも深く突き刺さるという意味。
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「燃眉之急」を考える

ねんびのきゅう
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危険がすぐ近くまで迫っていて非常に緊迫した状況のたとえ。
眉が燃えるほど近くに火が迫り、急を要する事態であることから。
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「燃」 火がもえる。もえる。もやす。

「眉」 目の上、ひたいの下辺に横に並
ではえた毛。まゆげ

「之」 ①ゆく、すすむ、いたる。
②是と通じ、代名詞として、これ、この。
③語詞と

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「附贅懸疣」を考える

ふぜいけんゆう
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必要がなく、迷惑なだけのこと。
「附」はくっつくこと。
「贅」と「疣」はどちらもこぶやいぼのこと。
「懸」はぶらさがると。
くっついていたり、ぶら下がったりするいぼやこぶということから。
「附贅」は 「付贅」とも、
「懸疣」は「懸肬」とも書く。
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「附」 ①添え加える。ます。つける。
②つきしたがう。

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「破邪顕正」を考える

はじゃけんしょう
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不正を打破して、正しい行いを示して守ること。
仏教の言葉で、邪説を打破して、正しい仏教の道を指し示すことをいう。
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「破」 ①物をこわす。こわれる。
②従来の体制をくずす。

「邪」 ①正しくない。心がねじけている。まがっている。よくない。よこしま。
②有害である。

「顕」 ①よく目立つ。明らか。

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「前倨後恭 」を考える

ぜんきょこうきょう
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調子にのって横暴な態度をとっていたが、
急に態度を変えて、相手にへつらうようにすること。
「倨」は偉そうな態度をとること。
「恭」は礼儀正しく丁寧なこと。
中国の戦国時代の遊説家の蘇秦は諸国を放浪して貧しくなって故郷に帰ると、家族は偉そうに馬鹿にした態度をとった。
蘇秦は、その後に六国の宰相になって故郷に帰ると、家族は腰を低くして丁寧に迎

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「澹然無極 」を考える

たんぜんむきょく
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この上なく静かで穏やかなこと。
「澹然」は静かで穏やかなこと。
「無極」は程度が甚だしいこと。
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「澹」 うごく、しずかにうごく、水がゆれうごく。

「然」 そのとおり。そのまま。

「無」 ない。存在しない。欠けている。

「極」 この上ないところ。頂点。限界点。

「澹然」
あっさりしているさま、静

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「 随珠弾雀」を考える

ずいしゅだんじゃく
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適切でない方法や道具を使用すること。!
特に利益よりも損失が大きい状況のこと。
「随珠」は随侯が大蛇を助けた際に贈られたとされる伝説の宝玉。
「雀」はすずめのこと。貴重な宝玉を、すずめを打ち落とすための弾として使用することから。
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「随」 ①進むもののあとからついてゆく。したがう。ともをする。

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「柔茹剛吐」を考える

じゅうじょごうと
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弱者を見下して、強者に謙(へりくだ)るという、世の常を言う言葉。
「柔茹」は柔らかい食べ物を食べること。
「剛吐」は固い食べ物を吐き出すこと。
「柔(じゅう)なるは茹(くら)い剛(ごう)なるは吐(は)く」とも読む。
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「柔」 ①しなやかでやわらかい。やわらか。
②やわら。

「茹」 ①ゆでる。うだる。ゆで

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「窺伺傚慕 」を考える

きしこうぼ
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他人のやり方を覗き見して、同じようにやろうとすること。
「傚慕 」は真似しようとしてみること。
郭タク駝という庭師は木を育てるのがうまく、他の人が覗き見して真似しようとしたが、誰も同じように育てることは出来なかったという故事から。
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「窺」 うかがう。のぞく。ねらう。

「伺」 ①訪問する。相手の様子をたずね

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「蜂目豺声」を考える

ほうもくさいせい
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冷酷で残忍な性質の人のこと。
「豺」は気性の荒い、狼に似た山犬のこと。
蜂のように細い目と山犬のような気味の悪い声という意味から。
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「蜂」 膜翅(まくし)目の昆虫。丈夫な膜質の羽があり、高等なはちでは産卵管が毒針となって、ふだんは腹の中にしまわれている。ミツバチ・スズメバチなど種類が多い。

「目」

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「朝齏暮塩 」を考える

ちょうせいぼえん
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ひどく貧しいことのたとえ。
「齏」は野菜の和え物のこと。
朝食に塩漬けの野菜の和え物をおかずにして、夕食は塩をおかずにするということから。
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「朝」 夜明けからしばらくの間。

「齏」 なます・あえもの

「暮」 日が沈んで暗くなる。日の沈む時分。くれ。ゆうぐれ。

「塩」 主成分が塩化ナトリウムの白い

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