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#現代アート

『李禹煥 他者との出会い 作品に見る対峙と共存』ジルケ・フォン・ベルスヴォルト=ヴァルラーベ(水沢勉 訳)

『李禹煥 他者との出会い 作品に見る対峙と共存』ジルケ・フォン・ベルスヴォルト=ヴァルラーベ(水沢勉 訳)

著者はドイツの美術史家で、本書は著者の博士論文が基になっている。というわけで、かなり理屈っぽくこむつかしい。

李自身の著作『出会いを求めて』が、李の主観的な創作理論だったのに対し、本書は、他のアーティストの作品と比較しつつ、李の作品を受容する側からの理論的な考察となっている。

個々の比較については、正直比較して何を見出したのかよく掴めないものもある(もちろん読み手の僕の読解力の問題)んだけれど

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李禹煥『時の震え(新装版)』

『出会いを求めて』が、李禹煥の作品と即応するような、張り詰めた美術理論書だったのに比して、この『時の震え』は身辺雑記を中心に、猥雑で臭みのある人間・李禹煥を剥き出しにしていて、いささかたじろがされる。

アーティストもまた一人の人間である、というアタリマエのことをアタリマエに記述した、ともとれる。

時折見せる詩情豊かな憂いの表情や、韓国と日本という二つの国家に引きずり回された李の複雑な国家観・民

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