萩原朔太郎『恋愛名歌集』
後半に「総論」として、万葉集、古今、新古今を中心とした歌集についての解説があり、そちらを先に読んだほうが分かりやすいと朔太郎が「解題一般」で述べている。実際その通りなので、先に総論を読むべきだろうと思う。
歌は音楽(音韻)と内容とが調和し不離であるべきという朔太郎は、単に和歌の主題について語るだけでなく、音韻についてもローマ字書きを添えて詳しく論じる。
その音韻に関する理論の正当かどうかは分からないけれども、詠むという行為は発声を伴うのだから、当然、音としての巧劣もあるべ