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https://bsky.app/profile/icchan0000.bsky.social 美術、読書、旅の記録など。 プロフィール画像は淀井敏夫「北へ帰る鳥と少年」(あさご芸術の森美術館所蔵)

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マガジン

  • 読了記録 2024

  • 旅行記

  • 僕の好きな藝術家たち

    好きな藝術家について書きたいように書いてみるシリーズ。全12回。 vol.1 ジャクソン・ポロック vol.2 ニコラ・ド・スタール vol.3 ザオ・ウーキー vol.4 ジョルジョ・モランディ vol.5 塩田千春 vol.6 日高理恵子 vol.7 米田知子 vol.8 伊庭靖子 vol.9 宮永愛子 vol.10 野又穣 vol.11 ゲルハルト・リヒター vol.12 李禹煥

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アドルフ・ロース『装飾と犯罪』

(タイトル画像は『ゼロからはじめる[近代建築]入門』原口秀昭、彰国社より) タイトルは『装飾と犯罪』となっているけれど、「装飾は犯罪」というのがアドルフ・ロースの主張。ゴテゴテ飾り立てたり、イミテーションの素材を使ったりする“虚飾”を徹底的に排斥する。 そこには近代的思考(モダニズム)の徹底がある。合理的、理性的であることに何よりも価値をおくモダニスト。 コルビュジエやデル・ローエほどの知名度はないように思う(僕が知らなかっただけ?)けれど、訳者にも恵まれて愉しく読める

    • 国立新美術館のクラウドファウンディングについて思うこと

      国立科学博物館や国立天文台の事例に続いて、また国立機関のクラウドファウンディング。 国立の美術館や博物館は、独立行政法人として、国からの運営予算に頼り切らない採算構造が求められている。国家の関与を減らして独立性を高める半面、財政的にも国家の関与は減らすという建付け。 権力からの独立性を高めるという建前は美しいが、文化の保護育成というような“儲からない活動”には金は出さないよ、という冷淡な新自由主義的施策である。 利益をもたらさない活動に公金を注入しない利益至上主義が受け

      • アドルフ・ロース『装飾と犯罪』読み直してました。先日隈研吾さんの展覧会を観、隈さんの設計建築の木材が腐蝕しているというニュースもあり、そういったことを念頭に置きながら読むと、なかなか味わい深い。隈さんは仕事受けすぎて雑になってんのかなあ。

        • 大岡信『日本の詩歌 その骨組みと素肌』

          萩原朔太郎『恋愛名歌集』と一緒に購入した、詩人による和歌(及び中世歌謡)論集。 子供の頃は毎日新聞で「折々の歌」を楽しみにしていたのに、何故か手が出ず、大岡信のまとまった本は初めて読む気がする。 パリでの講演原稿だそうで(講演はこのテクストを仏訳)、「聴衆が、議論好きで合理主義的思考に徹しているフランス人であることを、常に意識して」書いたというテクストは、極めて明晰で澱むところがない。 朔太郎の読解や和歌史の理解が極めて感性的感覚的なものであるのに対して、大岡は歴史的文

        • アドルフ・ロース『装飾と犯罪』

        • 国立新美術館のクラウドファウンディングについて思うこと

        • アドルフ・ロース『装飾と犯罪』読み直してました。先日隈研吾さんの展覧会を観、隈さんの設計建築の木材が腐蝕しているというニュースもあり、そういったことを念頭に置きながら読むと、なかなか味わい深い。隈さんは仕事受けすぎて雑になってんのかなあ。

        • 大岡信『日本の詩歌 その骨組みと素肌』

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        記事

          今日は所用でメリケンパークオリエンタルホテルへ。お昼食べ損ねたので三宮駅でランチ(?) いろいろ思い出のあるホテル、もはや没交渉になったり、先立ってしまった懐かしい人たちのことを思い出しつつ。

          今日は所用でメリケンパークオリエンタルホテルへ。お昼食べ損ねたので三宮駅でランチ(?) いろいろ思い出のあるホテル、もはや没交渉になったり、先立ってしまった懐かしい人たちのことを思い出しつつ。

          谷川俊太郎さんが亡くならました。 https://www.asahi.com/special/tanikawashuntaro/ 素敵なインタビュー記事です。言葉に興味のある方は是非。

          谷川俊太郎さんが亡くならました。 https://www.asahi.com/special/tanikawashuntaro/ 素敵なインタビュー記事です。言葉に興味のある方は是非。

          萩原朔太郎『恋愛名歌集』

          後半に「総論」として、万葉集、古今、新古今を中心とした歌集についての解説があり、そちらを先に読んだほうが分かりやすいと朔太郎が「解題一般」で述べている。実際その通りなので、先に総論を読むべきだろうと思う。 歌は音楽(音韻)と内容とが調和し不離であるべきという朔太郎は、単に和歌の主題について語るだけでなく、音韻についてもローマ字書きを添えて詳しく論じる。 その音韻に関する理論の正当かどうかは分からないけれども、詠むという行為は発声を伴うのだから、当然、音としての巧劣もあるべ

          萩原朔太郎『恋愛名歌集』

          国立国際美術館『コレクションⅠ 彼女の肖像』

          展のコンセプトに沿った作品もあるけれど、何故これが“彼女の肖像”になるのかな?と分からないものもある。 前半は比較的“分かりやすい”気がする。作品のコンセプトが展覧会のコンセプトと響き合っているように感じられて。特にアンディ・ウォーホルやソフィ・カルの作品たち。 後半になっていくと、そもそもどう受け止めて良いのか戸惑う作品が増えてくる。 例えば久保田成子の映像作品。癌で亡くなる直前の父親の様子と、亡くなった後の自分自身の慟哭。韓国へ里帰りする夫(ナム・ジュン・パイク)が

          国立国際美術館『コレクションⅠ 彼女の肖像』

          国立国際美術館『線表現の可能性』

          極めて批評的なコンセプトの展覧会なのだけれども、掲出作はいずれも強い個性を放っていて、展覧会のコンセプトを喰い破ってその存在を主張しているかのよう。 お馴染みリヒターや李禹煥もある。浜口陽三と南桂子夫妻もある。 展覧会のテーマをよく掴めたとは言えないけれども、とにかく愉しく観た。 また、「2020年代の物故作家」コーナーがあり、ボルタンスキー、奈良原一高、クリスト、舟越桂、三島喜美代なども。作家個人の寿命を超えて残り続ける作品たち。

          国立国際美術館『線表現の可能性』

          大阪中之島美術館『TRIO パリ東京大阪モダンアートコレクション』

          東京でも大盛況だった展覧会の巡回展。 出ている作品はどれも一級品、それらを共通点のあるものにグルーピングして見せる、言わば松岡正剛的編集の妙で、楽しい展覧会。 オールスター出演のお祭り映画のようで、どれもこれも目を楽しませてくれる。同じグループに並べられた作品との類似性や差異から、批評的な鑑賞に導かれるのもよく練られている。 中でも、デュフィ「電気の精」の存在感が強烈だった。展示されているのは小振りに複製した作品だったけれども、それでも圧巻。そしていつか実物を観てみたい

          大阪中之島美術館『TRIO パリ東京大阪モダンアートコレクション』

          大阪中之島美術館『塩田千春 つながる私(アイ)』

          塩田千春には特別な思い入れがある。大好きなアーティストの一人。 2019年の森美術館での展覧会が、塩田千春の活動の軌跡を作品によって跡付ける構成だったのに対し、今展覧会は近作を中心に展示し、今の塩田千春の地点を明らかにする試みのように感じた。 会場内の中心で上映されているインタビュー映像では、塩田のクロニクルが塩田自身の言葉と作品とで辿られるが、展示作は近作が多かったように思える。 今や塩田千春と言えば人気作家で、この展覧会のレビューや感想も数多く書かれているので、屋上

          大阪中之島美術館『塩田千春 つながる私(アイ)』

          旅の汚れ物を洗濯して朝コメダ。トーストが少し冷めかけていたのは何故だ。作り置きしてるのか?ちょっと不快。でもまあコメダやからしょうがないか。 朔太郎『恋愛名歌集』はいよいよ新古今の章へ。萬葉集と並び日本和歌史上の最高到達点との評価を朔太郎は新古今に与えている。

          旅の汚れ物を洗濯して朝コメダ。トーストが少し冷めかけていたのは何故だ。作り置きしてるのか?ちょっと不快。でもまあコメダやからしょうがないか。 朔太郎『恋愛名歌集』はいよいよ新古今の章へ。萬葉集と並び日本和歌史上の最高到達点との評価を朔太郎は新古今に与えている。

          塩田千春のあと、TRIO展を見て、国立国際美術館で特別展とコレクション展を観ました。 どれも素晴らしい展覧会でちょっと呆然としながら梅田大丸でディナー🍚 今日の余韻を噛み締めながらこれから帰宅します。

          塩田千春のあと、TRIO展を見て、国立国際美術館で特別展とコレクション展を観ました。 どれも素晴らしい展覧会でちょっと呆然としながら梅田大丸でディナー🍚 今日の余韻を噛み締めながらこれから帰宅します。

          中之島美術館で美術展二つを観て、カフェでひと息。 このあとお隣国際美術館でもう一つ展示を観ます。 雨になりそうな雲行き、降り出す前に帰りたいけど。

          中之島美術館で美術展二つを観て、カフェでひと息。 このあとお隣国際美術館でもう一つ展示を観ます。 雨になりそうな雲行き、降り出す前に帰りたいけど。

          中之島美術館で塩田千春展。森美術館の個展から5年、森美の展覧会が、レトロスペクティブであったのに対し、今回はコンテンポラリな活動にフォーカスした印象。ここ数年の塩田千春さんの変化が感じられて、率直に言って戸惑う。しばらくこの変化について考える。

          中之島美術館で塩田千春展。森美術館の個展から5年、森美の展覧会が、レトロスペクティブであったのに対し、今回はコンテンポラリな活動にフォーカスした印象。ここ数年の塩田千春さんの変化が感じられて、率直に言って戸惑う。しばらくこの変化について考える。

          お江戸なう。蕎麦食って大浴場入って今回の旅は仕事ながら楽しんでおります。美術館寄る余裕はないのが残念てすがっ😵‍💫

          お江戸なう。蕎麦食って大浴場入って今回の旅は仕事ながら楽しんでおります。美術館寄る余裕はないのが残念てすがっ😵‍💫