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何気ない こそ 愛おしい

恋猫とは…?とその意味を知った日。
洗い物や宅配の受け取り、銀行やスーパーでの用事をしているうちに、幼稚園のお迎え時間となってしまった。
降園時刻後も園庭を駆けまわっていた息子を後ろに乗せ、家へと自転車を走らせる。
嵐の前の静けさならぬ、雪の前の暖かさを感じさせる昼下がり。

そういえば、こんな日はいつぶりだろう。

平日おおよそ週4日、時短とはいえ働くようになってからというもの。
土日以外に祝日があれば平日はすべて出勤、仕事が休みならば幼稚園のPTA業務。
そうした日々が続き、通常の降園時刻まで一人ですごすのは久しぶりだった。

せっかくだからおひとり様カフェでも…のはずが、細々とした家事と数分のうたた寝で叶わなかった。
しかし、どういうわけか充足感がある。

ぼんやり考えながら、気が付けば書き進めていた。
そのうちに、「ゆったり」、「まったり」といった言葉が浮かんできた。

あぁそうか。
陽だまりのなかで、散歩や昼寝をする猫たちのような過ごし方だ。
時折振り返ったり、ぼうっとしたり。
そんなひとときが、ここのところ不足していたのだ。

恋の始まりのように、突然だったり、次はすぐに訪れなかったり、あるいはもうないかもしれないけれど。

穏やかな、ありふれているような一日を、ありがたいと思える人でいられたら…と、感じたのであった。



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