
細切れ時間の積み重ねでも、積読の小説たちを読んでいきたいと思えた
大好きなタカラジェンヌOGさん方がお読みになったと知り、数ヶ月ほど前に購入していたこちらの一冊。
これほどにも考えこまれた小説、ミステリー、いや、「紙」の本があるとは…。
ストーリーそのもの以外の要素でも、「!!!」となってしまうとは…。
この構想を思いつくだけでも、杉井さんは人間離れしていらっしゃる…いや、むしろ人間ゆえの発想か…。
などと、感じさせられた。
語彙力不足とネタバレ防止策とで、文字通り上手く言葉にできていないが、ご容赦いただきたい。
中盤ほどだったか、「おそらく、こういうオチだよなー」などと調子にのっていた。
そんななか終盤のとある文章を機に「本」の秘密に気づき、全身が固まった。
前にも後ろにもページを繰りたくなり、パラパラとした後は、早く最後まで読むぞ!と一気に読むスピードが速まった。
もちろん、物語の展開に惹き込まれていくのだけれども。
・冒頭の、編集者、校正者、作家の喩え
・登場人物たちがまるで自分の目の前にいるかのように、行動や心情が伝わってくる描写
・主人公の「書くこと」についての考え方
なども、印象的だった。
学生や会社員だった頃は、通学や通勤の電車内という格好の読書タイムがあった。
1回あたりが短くとも、数日途切れるということもさほどない。
そのため、長めの小説も難なく読み進めることができた。
しかし、ここ数年は育児と家事に追われる日々。
雑誌やハウツー本、短編集ではないため、定期的に読めるとは限らないのだからと、なかなか手に取ることができなかった。
観劇等で1人で長距離移動するとき
子どもの相手をする人が自分以外にもいる車に、乗せてもらっているとき
あるいは、毎日のように読む時間が取れると決まったときにでも…
と思っていたものの、そうしたタイミングは訪れないままに時が過ぎ去っていた。
そして、ついに。
時短ではあるが働き始め、久しぶりに通勤時間というものができた。
読書タイムは、片道15分ほどの電車内で取れるかどうかの状況。
だが、読んでみようかと思い立ち、鞄へ入れた。
結果、あっさりと読めてしまった。
偶然手にした本が良かったからかもしれないが
「細切れ時間しか取れなくとも、長めの小説も読んでいいんだ!」
と、気づかせてもらえた。
杉井さんの違う作品も、作中に登場する作家さんの作品も読んでみたい!
と、思っていた矢先。
なんと、この作品の第2弾が発売されたという。
当記事を書いている最中に知り、驚いた。
ますます、「小説読みなよ」と、杉井さんから背中を押されているように感じてしまったのだった。