見出し画像

久しぶりだね (コトノハなごや応募作品)

爽やかな風が心地よくなったのもあるのかして、お昼前後や夕方に昼寝をしてしまいがちです。

スマホのアラームを設定しそびれ、目覚めると息子の幼稚園のお迎え時刻が過ぎていた!という日までありました←

育児や家事その他により夜なかなか早く寝られない、しかし、朝は同じ時刻に起きなければならない…!
ということから、必要な睡眠を昼寝によって確保しようとしている、ということにしておきましょう。


時は遡り、酷暑が長々と続いていた今夏。
こちらのコンテストへ応募いたしました。


(このように、したい!ということも多すぎる欲張り人間ゆえ、寝るのが遅くなりがちなのでしょうけれど…。)


結果は落選でした。
せっかくなので、こちらに掲載することにします(課題写真:C)




メーカーへ新卒入社した私は、自動車部品の営業として名古屋支社へ配属された。
勤務先は栄駅すぐのビルの最上階。
定時後も楽しそうと思っていた。

しかし、来る日もくる日も残業続き。
労務部の指導が入らないギリギリの時刻に、一人で戸締まりをして退社。
周りで開いているのは、飲食店やカラオケ店ばかり。

「名古屋飛ばし」とよく言われるが、私は飛ばされてきたようなもの。
SNSでは、関西の本社や他の支社の同期が定時後に集う様子が流れてくる。
実家からは遠く、友人もいない地で職場と自宅を往復するのみ。
理想の一人暮らしOLとは、あまりにもかけ離れていた。


荒んだ日々が始まって数ヶ月した頃、大学で同じゼミだった同級生から連絡がきた。
Uターン就職で名古屋に帰ったらしく、今度飲まないか、と。

この地にいる貴重な知り合い。
上司ではない異性と二人きりの食事なんて、いつぶりだろう。
平日はただの通過点にすぎない改札口で、彼と落ち合った。

その日を境に、週末の栄周辺の賑わいに加われるようになった。



7年後。

数日前のお出かけ中に落とした帽子が届いているとわかり、息子と栄へやってきた。
隣の窓口で、定期券を買っていたのを思い出す。

何をどう大切にするかは人それぞれ。
勤め続ければ、お金は稼げたしキャリアも積めただろう。
ただ、どことなく歯車が合わない職場から離れ、学生時代に想像した未来図を描きなおすことに、迷いはなかった。

偶然の再会を果たした同級生と、転勤による遠距離恋愛を経て結婚。
出産を機に、家族も、そして自分も幸せに生きるにはと考え、選んだ道を歩んで今に至る。
毎日のように見ていた風景は、お店や設備が新しくなった以上に、どこか明るく見える。

ベビーカーを担いで階段を上り、飲食店の並ぶ広場へ向かう。
かつて仕事帰りによく入った中華料理店で、息子とランチだ。
種類は違えど、疲れとストレスにもってこいのあの麺を注文しよう。




経験を元にしているゆえか、書いているうちに過去の自分を客観的にみつめ、認めてあげられたような気分になれました。

ちなみに、当コンテストはnoteを通じて知りました。
応募できたこと、作品をnoteへ掲載できたこともなんだか嬉しいです。


時には、自己満足も良いのかな、なんて。


入選された方、おめでとうございます。
これから、入選作品を拝読してまいりますね。


来年、同様のコンテストが開催された際には、また応募できるとよいなと思っている虹風でした。



※当記事は、こちらの企画にも参加させていただいております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?