【短歌一首】 日の傾ぐ窓より射せる蝉しぐれけなげに聞こえ秋始まりぬ
2ヶ月ぶりに用事で鎌倉を訪れた。
時間がある時は必ず立ち寄る北鎌倉の喫茶「吉野」にまた来た。
ここに来ると心底安らいだ気持ちになる。大きな窓から見えるい四季折々の花や木そして日差しを味わいながら、ゆっくりコーヒーを飲んでいる時はまさに至福のひととき。
今回、いつも座る前面に大きなガラス窓のある部屋の席が空いておらず、窓の少ない奥のソファーの席に座った。
ソファー席から見える窓の外の景色はいつもと角度や大きさが異なり、それもまた素晴らしい。
毎回座る席の窓は、足元から天井まである大きなガラスがとても開放的で大好きだが、今回のソファー席の窓はクラシックな落ち着いた重厚感がある。ここから眺める外の景色もまた美しい。新しい発見が嬉しい。
9月に入っても外はまだまだ日差しも強くかなり蒸し暑かったが、ソファー席の後ろの窓から見える陽の光は、やはり日差しの角度も勢いも確実に秋めいてきている。
窓の外からは蝉の輪唱、合唱が聴こえてくる。窓から差し込む9月の蝉しぐれ。
傾きつつある太陽を受けながら、木々から聴こえてくる蝉しぐれは、どこか寂しげで、一途で、けなげに思える。
どう抗おうとも季は移ろう。北鎌倉に秋は来た。
猫間英介
前回の吉野訪問は、新緑の季節だった。
鎌倉の短歌をまとめました。
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