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【短歌一首】 奇怪なる音に大空見上ぐればクレーンは天に鋼(はがね)捧げん

奇怪なる
音に大空
見上ぐれば
クレーンは天に
鋼(はがね)捧げん

東京都内のどの街でも、駅前を中心とした大規模な再開発事業が止まるところを知らない。昔から馴染みのあった古い街並みが根こそぎ姿を変えてゆく。

頭上に奇怪なる機械音

駅へ向かう狭い路地を歩いていると、上の方から普段の生活では全く聞いたことのない奇怪な音がしてきた。キュリ〜キョリ〜、クワシャグワシャ、とゆっくりとした奇妙な音。

クレーンの吊り上げ

一体何の音だろうかと上を見上げると、青い空に巨大なクレーンが工事中の高層ビルのてっぺんから、鉄の塊のようなものをゆっくり、ゆっくりと吊り上げている。

風に揺れる塊

強いビル風を受けて鉄の塊が揺れている。揺られながら少しずつ、少しずつ、ビルの頂上を目指して登っていく。

狭い路地と巨大ビル

歩いている道は、元々は両脇に2階建てや平屋の木造住宅と居酒屋などが並んでいた狭い路地。 もしクレーンの吊っている鋼材が何かの拍子で落下したら、この狭い路地を直撃するだろう。

タワマンの建設
高層ビルが林立

タワマンや複合型の商業施設などの超高層ビルが、普通の住宅街にどんどん建てられてゆく。

建設中の超高層ビルの上で巨大クレーンが唸りを上げて、鉄骨を天へ捧げているようだ。 それにしても街の縮尺も輪郭もすっかり変わってしまった。
まだまだ大規模再開発は続く。

猫間英介



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