【短歌一首】 風の道捉へて眠る猫の位置移ろひ始め季を知らせたり
猫にとって常に一番大事で最優先の事項は、自分にとって快適であるかということだと思う。
人間と一緒に暮らしている猫の場合、一緒にいる人間のことも自分に快を提供してくるかどうかで見ている。気持ち良い寝床、過ごしやすい室温、美味しい食事、清潔なトイレなどなど。あとは、自分が望むときに一緒に遊んでくれ、撫でてくれるかどうか。
猫にとっての色々な「快」のうち特に時間が一番長く、生きることのエナジーを生み出しているのが睡眠。よく寝る子だから「ネコ」というようになったという説もある。
猫はとにかくよく眠る。いろいろな見解があるようだが、一般的に16時間〜20時間眠るらしい。確かに一緒にいる猫のうち、近くでよく眠ることの多い一匹(もうすぐ17歳)を見ていると、本当によく眠っている。
ネコ科最強のライオンやトラの平均的な睡眠時間も15、6時間と言われているようである。 生粋のファイターである肉食動物の睡眠時間は、雑食動物や草食動物に比べて圧倒的に長い。 キリンは4、5時間、野生のアフリカゾウは3時間と言われている。 動物の肉は栄養価が高く腹持ちが良いので、常にエサを探しまわる必要がないそうである。
猫の眠る場所は季の移ろいとともに移動する。特に、風通しには敏感なようで、エアコンの風、外からの風を含めて、自分にとって最も暖かくて涼しい快適な場所を求めて移動する。季節の移り変わりだけでなく、一日の日の傾きによっても常に変化する。
今年は暑さが長く残っているので、秋口以降に多くなる椅子の上で眠ることもまだ始まっていない。代わりに、椅子の下で椅子の足の冷たいパイプに体をあてて眠っていることが多い。これも季節が猫にとってはまだ暑いというサイン。
大自然の気候変動によって猫の睡眠場所も動く。それにしてもなかなか涼しさが定着しない今年の秋。猫は寒いのが苦手だが、暑さが長引きすぎることをどう感じているのだろうか。
猫間英介
生き物短歌を集めました。
虎の短歌です。