【短歌一首】 アザラシは流線型に胡麻斑(ごまだら)の水着で五輪最速メドレー
ちょうどパリ・オリンピックの時期。
水泳競技も連日熱い戦いが繰り広げられた。
各国の水泳選手たちの泳ぎも美しく素晴らしいが、新江ノ島水族館(通称:えのすい)で人気のゴマフアザラシは速く滑らかな泳ぎで、まさに「流麗」の一言。
ゴマフアザラシを漢字で表すと「胡麻斑海豹」となる。この名の通り、背中の面は灰色の地に黒いまだら模様が散らばっている。一方、お腹の表面は薄灰色でまだら模様は少ない。「胡麻斑」はゴマダラとも読む。
成体の大きさは、一般的に、体長160~170cm 体重80~140kgくらい。
ゴマフアザラシが「ゴマちゃん」と呼ばれて人気者になったのは、1988年から1994年まで「週刊ヤングジャンプ」(集英社)に連載された森下裕美さん原作の漫画「少年アシベ」に、ゴマフアザラシの赤ちゃん「ゴマちゃん」が登場し人気を博した影響が大きい。その後アニメ化もされ、いつもの間にか誰もがアザラシといえば、ゴマフアザラシ、そしてゴマちゃん、という感じに刷り込まれていったような感じがする。
漫画やアニメ以前に幼少の頃からゴマフアザラシの大ファンであったが、実際、実物のゴマフアザラシは見た目も動きもとてもユニークで可愛い。
アザラシは漢字で書くと「海豹」、うみのヒョウ。ということはネコ科の動物に似ているということ。猫が大好きな自分が子供の頃からアザラシのファンだったいうのは当然のことかもしれない。 顔も動きもしなやかさも、どこか猫っぽい。
ゴマフアザラシは仰向けでもうつ伏せでも、横向きでもどんな姿勢でも素早く滑らかに泳げる。個人メドレー楽勝。 人間と違って、ターンで壁を蹴るなんて野暮なことはしない。滑らかな曲線を描いて方向を変える。美しい。
それでは、オリンピックの水泳にゴマフアザラシが出場していたらどうなるのか。
もう、全然勝負にならないくらいゴマちゃんの方が速い。
今回のパリ五輪で、男子100メートル自由形の決勝が7月31日に行われ、中国の潘選手が46秒40のタイムで世界新記録で優勝した。これを時速にすると、1時間で進む距離は3600÷46.4×100=7758.62となり、時速はおよそ8kmになる。
一方、アザラシの泳ぐ速度は時速18km~20kmくらいと言われているから2倍以上アザラシの方が速い。こりゃ、楽勝〜。
出る種目は、泳ぎの型が自由なフリースタイル(人間の場合、通常クロール泳法を選択しているジャンル)であればゴマちゃんの泳ぎも失格にならない。(全て潜水で泳ぐスタイルがOKであれば。) 課題はフライングと壁にタッチしないターン。そして、ゴマダラの流麗な肌が、人間界で以前流行ってその後競技での着用禁止となった、滑らかな表面を持つ高速水着に該当するかどうか。
まあ、ゴマフアザラシにとっては、人間が泳ぐことなど何とも思っちゃいないだろうけど。
猫目英介
生き物なんでも、短歌に詠みます。
哺乳類、爬虫類、両生類、魚類、鳥類、虫、なんでも。