【短歌一首】 肩当てて牙剥き出して集ひしも午後のしじまに猫ら微睡む
短歌は動物観察セラピー。
昨日は二十四節気の「芒種」(ぼうしゅ)
梅雨入り前のこの時期になると、毎年、よく通る路地裏にいろいろな野良猫がたむろしている。見覚えのある顔、初めて見る顔、なついてくる顔、最初からケンカ腰の顔、さまざま。
たまにそれらの猫たちが集まっているところを見かける。梅雨入り前の清々しい天気を仲間たちとエンジョイしているのか。(そもそもお互いを仲間と思っているかどうかは不明。)
最初から野良ではなく、以前は人に飼われていたと見られる猫もいる。特に、メインクーン、ノルウェジャン・フォレスト、ペルシャなどではないかと見られる長毛の大柄の猫は、どこから見ても日本の路地裏にもともといる種類ではない。長毛の猫は飼い主がまめにブラッシングをしてあげる必要があるが、野良猫になると自慢長毛の手入れが難しく、長い毛が絡み合って汚れている猫を見かける。
集まってくる猫たちがどのような関係なのか、序列や上下関係の様なものはあるのか、敵対しているのか、友好的なのか、などいろいろ興味が湧いてしばし足を止めて猫を眺めることがある。ミュージカルの「キャッツ」のように夜毎に集まってあれこれ話でもしてるのだろうか。
猫は木にも登る。木の枝と葉っぱをバキバキ、ガサガサ言わせながら、白い野良猫が木の葉叢の中で暴れていた。もがいているうちにようやく脱出することができ、塀の上に飛び乗り、高い位置から他の猫を見ている。一説によると猫はその時のポジショニングで上の位置を取った者が優位に立つ、というような話を聞いたことがある。
猫の集会は夜に行われることが多いらしい。
でも、昼間にも集まっている姿も見かける。数匹が肩をぶつけ合ったり、体をこすりつけあったり、歯を剥き出して相手を見ることもあるが、一触即発なんてものとはほど遠く、ほのぼのした平和な空気が漂っている。たぶん、それぞれに微妙な距離感があって、お互いに相手のスペースを侵害しないようにしている。
そして、みんなで集まっていても、結局は気候がいい午後に全員がひたすら微睡んでいるか、爆睡しているか。 猫は本当によく眠る。 よく寝る子だから「ネコ」という説あり。
メンタルヘルスの分野でも、人間にとって最大のストレス・コーピングの一つは「睡眠」であり、いい睡眠が取れると自ずとそれだけでかなりの「多幸感」が得られるとされている。よく眠ろう。
猫間英介