雄弁になったミュージシャンたち
最近の若手ミュージシャンをテレビで拝見すると、ずいぶん器用に喋る人が多い印象だ。
まるで芸人のようである。
かつて『HEY!HEY!HEY!』では、芸人である司会のダウンタウンと、ゲストのミュージシャンとの異種格闘技が毎週行われていた。
だが今では、少なくともトークにおいては、芸人とミュージシャンは昔ほど異種ではなくなったかもしれない。
芸人みたいにペラペラ喋れたほうがいいという風潮は、今や芸能界に限らず一般人にも浸透しているように思える。
一体いつから、このようなことが起こり始めたのか?
やはりダウンタウンの影響が大きいのだろうか。
ダウンタウンに関して言うと、とくに松本人志は、お笑いの意味そのものを大きく変えてしまった。
誰もが気楽に親しめる娯楽だったお笑いを、クールな知的遊戯に発展させたのだ。
ここから、「上手いことを言った奴が偉い」というマインドが生まれた。
しかし今の私は、「その場にいる全員が主役になれる」ようなお笑いが好きである。
明石家さんまは、わりとそういうスタイルだと思う。