読了!平野啓一郎「マチネの終わりに」
《粗筋》
天才クラシックギタリスト・蒔野聡史と、国際ジャーナリスト・小峰洋子。四十代という 人生の暗い森、を前に出会った二人の切なすぎる恋の行方を軸に、芸術と生活、父と娘、グローバリズム、生と死などのテーマが重層的に描かれる。いつまでも作品世界に浸っていたいと思わずにはいられないロングセラー恋愛小説を文庫化。
《感想》
静かだった。日本語表現が良かった。
でも自分は刺激の強い方が、(多分だけど)読むのが楽で好きだから読み終えるまでに時間がかかった。メール一本でこんなにも全てが変わることもあるのかもね。
《引用》
顔を両手で覆って、閉ざした瞼の内側に覚えず逃げ込んだ。その暗がりにだけ、僅かに身の置き場があった。(P58)
事実は、事実としてある。情報の真相を確かめるというのは、今の世界では最も価値のある仕事だろう。(P424)
(2022/2/2)