筋肥大に大事なのは「重量」?それとも「効かせること」?
「あ~いろんな人の筋トレ動画とか見てきたけど、重量が大事って人もいれば、効かせることが大事って人もいて、どっちが正解かわかんねえよ~」
皆さん、近頃こんなことを思っていないだろうか?
確かに、一億総情報発信社会においてはいろんな人がいろんな主張をしている(あるいは海外の情報を含めると一億じゃ済まないかもしれない)。
とにかく、人によって言うことが違っており、誰を信じていいかわからないという悩みは多いだろうと思う。
今回は、【筋肥大に大事なのは「重量」?それとも「効かせること」?】というお話をしていく。
●命題
つまり、命題はこうであるといえる。
筋肥大、重量から攻めるか?フォームから攻めるか?
結論はこうだ。
「人による」
「ふざけんな!こんな記事は時間の無駄だ!」
と思われるかもしれないが、ちょっと待ってほしい。
仮に正解があるとしたら、全人類その方法で筋トレしているはずである。
プロのボディビルダーにしても、重量を追い求めて結果を出した選手もいれば、効かせることが得意で結果を出した選手もいる。
正解がないからこそ、こうやって論争が巻き起こっているのではないだろうか?
だからといってそれで終わるのであればわざわざ記事にする必要はない。
この記事で筆者が主張したいのは、
「筋トレの習熟度によって考え方を変える必要がある」
ということ。
そして2つ目に主張したいのが、
「効かせる」という曖昧な言葉を使うのはやめよう
ということである。
●結論
「筋トレの習熟度によって考え方を変える必要がある」
とはどういうことだろうか。
考えてみてほしい。
初心者が、プロボディビルダーと同じトレーニングをできるだろうか?
普通に考えて無理だろう。
扱う重量、フォームの習熟度、関節や腱の丈夫さ、トレーニングに対するモチベーション…
全てが違うのに、同じトレーニングをすることはできない。
(あるいは、ステロイドの仕様有無もあるかもしれない。)
それなのに、プロボディビルダーに「重量が大事だ!」と言われて「はいわかりました!」と鵜呑みにするのはだいぶ早とちりではないだろうか。
そこで筆者はこう結論付ける。
●初心者
初心者の場合、まずは正しいフォームを身につけることから取り組もう。
重量を上げていくのはその後でも遅くない。
めちゃくちゃなフォームで重量だけ挙がるようになっても、経験上、絶対にどこかで頭打ちになる。
理に適っていないので伸びないというのもあるが、最悪なのが、フォームのせいで身体のどこかに負担が溜まってしまい、怪我するというパターン。
正しいフォームを身につけることで、
・怪我を防止する
・どの筋肉を使っているのか意識する
・重量を上げていく足がかりとする
ことを目的とする。
フォームに関してはYouTubeで学ぶのもいいが、自分を客観的に見つめて微修正を繰り返していくのはなかなか難易度が高い。
できればパーソナルトレーニングを受けたほうがいいが、ゴールドジム等であればトレーナーの方に質問すればアドバイスをもらえるだろう。
●中級者
中級者の場合、既に身につけたフォームで重量を伸ばしていくのが基本戦略となる。
このフェーズにおいては、怪我しない範囲でガンガン重量を追い求めていこう。
ただし、重量を追い求めるあまりフォームを崩してしまうのはご法度。
あなたは見栄を張るためにジムに行っているのだろうか?
違うと思う。
あなたが他人の挙げている重量なんてどうでもいいと思うように、誰もあなたのことなんか見ていない。
フォームを犠牲にして少し重い重量を挙げたからといって、何の得にもならない。カンニングで点数を取るのと同じことだ。
見栄を張るのはベッドの上でだけにしよう(?)
しかし、筋力と筋断面積には相関があることがわかっている。
扱える重量が重ければ、それだけ筋肉が大きいということだ。
また、筋肥大はトレーニングボリュームと相関があることがわかっている。
つまり、扱える重量や、同じ重量を挙げられる回数を伸ばしていくことが大切であるといえる。
●上級者
上級者の場合、特にアドバイスすることもないかもしれない。笑
だいたいの人は自分の課題を理解されているだろうし、上級者においては「全員に当てはまるアドバイス」など存在しない。
以前、【筋肥大が停滞したときに確認すべきチェックリスト】を作成したのでよかったらそちらを参照してほしい。
一つ論点になり得るのが、
「重量の伸びが止まったときにどうするか?」
ということかもしれない。
ミスターオリンピアの上位常連であるカイグリーンは、
「俺は絶対にウエイトリフターにはならない」
と言っている。
彼は、自分の仕事は重量を追い求めることではなく、筋肉を大きくすることだと理解している。
筋肥大のためには、いかに筋肉に負荷をかけるかが大事で、重量はその中で一つの選択肢でしかない。
競輪選手の太ももを見たことがあるだろうか?
彼らは300kgのスクワットを挙げることはできないだろうが、ボディビルダーも顔負けの太ももをしていることがある。
これは何故だろうか。
競輪という競技は、短時間で勝負が決することが多い。
そして競技中は決して休むことができない。
数十秒の間、全力でペダルを漕ぎ続けている間、彼らの太ももにはどんなことが起きているだろうか?
おそらく、相当な無酸素状態になっているだろう。
いわゆる「乳酸が溜まる」と言われそうな状態だ。
筋肉に休みを与えず負荷をかけ続ける、これも筋肥大するためのテクニックの一つなのだろう。
●「効かせる」という言葉が孕む危険
最後に、「効かせる」という言葉についてお話する。
…が、長くなりそうなので他の機会に記事にしようと思う。
少なくとも筆者はこの記事で、「効かせる」という言葉を「重量」との比較でしか使っていない。
それは「効かせる」が何を指しているか定義が曖昧な言葉だからである。
トレーニングボリューム=重量×回数×セット数
だという話をした。
TUT(筋緊張時間)やインターバルといった要素も含めて、これらは定量的に語ることができる。
しかし、「効かせる」は人によって定義が異なる。
この言葉を使っちゃいけない、という話ではない。
同じ言葉でも、人によって受け取り方が違うことがあるので、それを認識した上で使うのがいいと思う。
●まとめ
初心者…まずは正しいフォームを身につける。
中級者…正しいフォームで重量を伸ばしていく。
上級者…いかに弱点をなくすかを追求する。
「効かせる」は人によって定義が違うので気をつけよう
●おわりに
このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。
過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。
筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。
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