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真・5x5法で最大重量を伸ばす!初心者向けではなく実は中級者向けのトレーニング法?!


■5x5法とは

5x5法は、65年以上の歴史がある筋力強化と筋肥大のためのプログラム。
スクワット、ベンチプレス、バーベルロウなどのコンパウンド・バーベル種目を、各5セット5レップ(5×5)行うことが由来。

週に3日トレーニングを行い、その間に最低1日の休息日を設ける。
日を追うごとに徐々に重量を上げていくのがセオリー。
5x5法が長年愛されているのは、シンプルで時間効率が良く、サプリなしでも筋力と筋肉がしっかりつくためだ。

5x5法の発祥は定かではない。
1958年に初めて記述したのはアーノルド・シュワルツェネッガーの師匠レッグ・パークだったとする説がある。
僕は昔からこのプログラムを知っていて、初心者の頃にも行ったことがあるが、改めて行ってみて良さに気づいたので今回シェアしていこうと思う。

■5x5法の内容

5x5法は以下の2種類の組み合わせから成る。

Day A
スクワット 5x5
ベンチプレス 5x5
補助種目(背中、肩、腕から2-3種目)

Day B
スクワット 5x5
オーバーヘッドプレス 5x5
補助種目(背中、肩、腕から2-3種目)

Day C
デッドリフト 5x5
ベンチプレス 5x5
補助種目(背中、肩、腕から2-3種目)

以下、ポイントを解説していく。

・週3日のトレーニングを目指す
・トレーニングの間に最低1日の休息日を設ける
・トレーニングA→B→Cを交互に行う

基本的には5セットとも同じ重量で行う「ストレートセット」を採用する。
しかしこの方法で伸びるのは初心者までだというのが通説。

近年では5x5 routine generatorを使って「アセンディングセット」でプログラムを組むのが主流になっている。
5x5セットを同じ重量で行うのではなく、例えば設定した重量の55%→60%→65%→70%→75%と、セットごとに重量をだんだんと上げてメインセットにいくというもの。

以下のツールに自分のMAX重量を入力すると、何kgを何セットやればいいか教えてくれる。
毎週MAXを更新できる初心者ならまだしも、中級者以上の人が本当のMAXを入れてしまうと終盤がきつくなってしまうので、MAXの90%程度を基準にした重量設定でも十分に恩恵を受けることができる

https://www.prigym.net/tools/5x5-routine-generator/

■どんな人に向いているのか?

5x5プログラムの特徴として、BIG3が中心であり、序盤はそこまで負荷が強くなく終盤になるに連れて負荷が上がっていくことが挙げられる。

・時短で身体を全般的に大きくしたい人

BIG3は複数部位を一度に鍛えられるので、時短に最適。
細かい分割はせず、最小限の努力で身体を大きくしたい人に向いている。

・今までボディメイク種目を中心にやっていて、久々にBIG3をやる人

ボディメイク種目を否定するわけではないが、そればかりやっているのも考えもの。
僕にも経験があるが、もしかしたらBIG3が思うように伸びず他の種目に浮気していた人もいるかもしれない。

そんな人は逆にチャンス。寄り道することが逆に新鮮な刺激になっていて、離れていたはずの種目がいつの間にか伸びていた、なんてこともあり得る。
久々にBIG3に戻ってみてはいかがだろうか。

・しばらくトレーニングから離れていて復帰する人

プログラム序盤は負荷が大きくないので、フォームの確認やリハビリにも使える。
怪我や仕事の都合でトレーニングから離れていて、筋トレ復帰したい!という人は5x5から始めるのもありだろう。
ただしその場合は離れたときのMAX重量ではなくその時点でのMAX重量をもとにプログラム作成すること。

■トレーニング回数、頻度

週3回のトレーニングを目標にする。
余裕があれば週4回にしても構わないが、週2回にはできるだけならないようにする。
そのうち、最低でも週にスクワット2回、ベンチプレス2回、デッドリフト1回を行う。

デッドリフトが少ないのは身体への負担が大きいため。
スクワット、ベンチプレスは16回なので8週間かかる計算になるが、デッドリフトは週1回のため8週間で8回しか行うことができない。
このプログラムでは前回よりも重量を落とす場合が存在するが、デッドリフトだけはそれを無視し、身体の調子と相談してどんどん重量設定を上げていこう

■種目構成

5x5法では、プッシュ(押す)、プル(引く)、レッグ(脚)の3種類の運動が中心になる。

プッシュ: ベンチプレス、オーバーヘッドプレス
プル: デッドリフト、バーベルロウ
レッグ: スクワット、デッドリフト

ベンチプレスとオーバーヘッドプレスはプッシュ(押す)運動だ。
体から重量を押し出し、腕を伸ばし切るまで行う。
何かを押したり、頭上に持ち上げるのを鍛える。

デッドリフトとバーベルロウはプル(引く)運動だ。
床からバーを自分に引き寄せる。
重いものを引き寄せたり、持ち上げるのを鍛える。

スクワットとデッドリフトはレッグ(脚)運動だ。
脚力で重量を持ち上げ、直立する。
腰を落とし、手を使わずに立ち上がる動作を鍛える。

補助種目は基本的に自由だが、できるだけフリーウェイト種目から選ぼう。
フリーウェイトならジムの設備に依存せず、バーベルとパワーラックさえあれば多様な種目ができる。

5x5法で鍛える主要な筋肉は以下の通り。

胸 ベンチプレス
肩 ベンチプレス、オーバーヘッドプレス
背中 バーベルロウ、デッドリフト、スクワット
上腕三頭筋 ベンチプレス、オーバーヘッドプレス
上腕二頭筋 バーベルロウ
脚 スクワット、デッドリフト
ひらめ筋 スクワット

1週間でほとんどの主要筋肉グループを鍛えることができる。
単体の筋肉を狙った種目はないが、コンパウンド種目のみでも十分な筋肥大ができる。

■セット間のインターバル

インターバルの取り方は、前のセットの難易度にもよる。
基本的には3分を目安にしよう。

  • ウォームアップなどの簡単なセット後…1-2分

  • メインセット…3分

  • 前のセットがいつもよりきつかった場合…5分

DAY8くらいまではそこまで強度が高くないため、セット間に長いインターバルは不要かもしれない。
重量が軽ければ、1-2分のインターバルでも十分だ。

重量が重くなり、5レップが難しくなってくると、セット間に3分のインターバルを取る必要がある。
長めのインターバルを取れば次のセットでもう少しレップできそうな場合は、積極的にインターバルを取ろう。

■トレーニングのテンポ

重量を落ち着いてコントロールしながら、ゆっくりすぎないよう動かす。

  • 極端に遅くすると、上げにくくなる。

  • 極端に速くすると、コントロールが困難になる。

  • レップを無理に早送りしないこと。正しいフォームを意識する。

トレーニング初心者は、最初の数週間はゆっくりとした動作から始めるとよい。正しいフォームに集中しやすくなる。
基本を覚えたら、動作を速くしてもよい。素早いリフトは筋力アップにつながる場合がある。
降ろす動作はコントロールすべきだが、ゆっくりすぎる必要はない。

この5x5法は、DAY7くらいまでは強度がそこまで高くない。
そのため、いつもより動作をゆっくりにしたり(TEMPO)、ボトムポジションで何秒か止めてみる(PAUSE)のもいいだろう。

■ウォームアップの方法

最初はバーベルのみの軽量でウォームアップし、徐々に重くしていき、最終的にはメイン5×5セットの重量に到達させる。

例えばスクワット100kgの5×5を行う場合は、このようにウォームアップする。

ジムにいって最初から100kgをバーにセットしてスクワットするのはNG。
まずはバーベル(20kg)で5レップからスタート。
徐々に重量を上げ(10‐20kgずつ)、複数のウォームアップセットを行い、最終的に100kgの重量に到達させる。

これで約5分程度でウォームアップができる。
1セットの実施は30秒ほど。ウォームアップセット間には休憩なし。軽い重量なので続けて行えばすぐ体温も上がる。

このウォームアップのメリットは以下の通り。

  • 筋肉の暖機運動と、関節の潤滑ができる

  • 体がほぐれる(スクワットで股関節を伸ばす)

  • 本番前に正しいフォームの練習ができる

  • 重量に対する精神的な準備ができる

  • 怪我のリスクが低減する

■やってみての感想

僕は実際BIG3のリハビリとして5x5プログラムを行った。
結果は以下の通り。

スクワット
140kg1rep

132.5kg5reps(152.5kg換算)

ベンチプレス
110kg1rep

105kg5reps(117.5kg換算)

デッドリフト
160kg1rep

155kg5reps(177.5kg換算)

・序盤に気をつけること

フォームの精度を上げる
→序盤は強度が低いので、代わりにネガティブでゆっくり降ろすTEMPOやボトムポジションで止めるPAUSEを織り交ぜることでフォームの向上を目指す。

ルーティンを確立させる
→ウォーミングアップ、トレーニングの進め方、オフの日の過ごし方など自分に合ったルーティンを模索する。

補助種目は多めでもいいかも
→後半に強度が上がってくると補助種目までやる体力がない場合もあるので、補助種目は序盤にやっておく。
ただし脚や胸を使った種目はやり過ぎ注意。
背中や腹筋、肩や腕などをやり込もう。

・中盤に気をつけること

RPEに余裕があるか
→セットが終わった段階でPRE(あと何repできるか?)を意識しよう。
プログラム中盤にも関わらずRPEが8以上になっていたり、最終repの挙上速度が遅かったりしたら疲労が溜まっているサインなので、補助種目を減らすか休養日を設けるかしてリカバリを心がけよう。

スクワットが終盤になる前にデッドリフトを終わらせる
→都合によってトレーニングできない日があるかもしれないが、進捗が遅れてしまうとスクワットがきつくなってくる終盤にデッドリフトが終わっていない、なんてこともあり得る。
できるだけ週3は死守しよう。

・終盤に気をつけること

疲労管理(食事)
→特に終盤は食事管理が大切。
タンパク質も大事だが、トレーニングの強度を保つために大切なのは炭水化物。
油っこいものを避け、米などのクリーンな炭水化物を体重の4-5倍(70kgなら280-350g)は摂れるようにしよう。

疲労管理(補助種目)
→RPEの状況によっては思い切って補助種目を抜くのも手。

最後は5x5じゃなくて5reps MAXを狙うのもあり
→最終盤になると4セット目あたりできつくなってくるケースもある。
そんなときは1-4セットを5repsではなく1repにし、5セット目のみを本気で取り組んで5reps MAXを狙うでもいいだろう。

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■おわりに

このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。

過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。

筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。

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