番外 本当の自分とは 9 本当の自分はひとつではない
【結論】自分のこころを信じよう
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「本当の自分」について、「こんな本を読んだ 番外篇」にて考えています。この考察が、若い人への参考となればさいわいです。
第八回は、「本当の自分はひとつではない」。
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本当の自分はひとつではない
「本当の自分」は、人によってその意味がことなります。5回めまでは、それらをいくつかのパターンにわけて考察してきました。6回めからは総合的な考察。今回は「本当の自分はひとつではない」です。
芥川賞作家 平野啓一郎さんの本に『私とは何か』という本があります。
そこで、平野さんは、「個人」にかわる新しい人間のモデルとして「分人」という概念を提唱しています。
主張自体はむずかしいものではありません。
「個人」は唯一無二の人格を持ち、主体的に行動し、その結果には責任を持つというのが従来の人間観。
このような人間観からすれば、「分人」の概念は受け入れがたいものかもしれません。
しかし、4回めの『役割としての自分』に書いたように、私たちは、家庭や社会、コミュニティにおいてさまざまな役割をになっています。
それぞれの役割において、私は「本当の自分」ではない仮面をかぶっているとすると、それはそうとうしんどい状況です。
平野さんの、それぞれの「自分」が「本当の自分」であるという考えは、うけいれやすいものではないでしょうか。
7回めの『脳科学からみた自分』で書いたように、脳は無意識部分もふくめ、環境からの影響を受けて自分を変えていく柔軟性・可能性を持っています。
環境ごとの「自分」を持つということについて、私たちはもっと自分の脳(すなわち「こころ」)を信じてもよいのではないでしょうか。
そして、それを助けるもっとも効果的な方法が、人とまじわることだと、私は思います。
※このシリーズ、もう一回やります。
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【補足】
内田樹さんの本にまったく同じようなことが書いてありました。内田さんの本では、さらにその先まで行ってます。興味のある方は読んでください。
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読んでいただけただけでうれしいです。