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#79 最近よんだもの(20) 現実逃避と外出忌避

 満を持して「百年の孤独」を買いに書店に行った。だが帰ってきたらマルケスの大著は手元になく、そこには「地球の歩き方 ムーJAPAN」があった。マコンドでもなかろうに、不思議なこともあるものだ。「神秘の国の歩き方」のサブタイトルは伊達ではないということだろう。愉快なことこの上ない一冊。

 ここ1ヵ月ほど忙しいが、図書館の返却期限に追われ、現実逃避と外出忌避があいまって、エアコンの効いた室内で案外と本を読んだ。繁忙を極めた時期も終わりが見えてきて、遅く短い夏休みは近い。

「われは熊楠」(岩井圭也、文藝春秋)

 南方熊楠の偉業については理解の範疇を超えているが、生涯については面白く読めた。水木しげるのイメージがやはり強い。主要参考文献がすごい。


「消費される階級」(酒井順子、集英社)

 格差こそが多様性に富んで、根深い。快作。考えることを止めるなかれ。


「還暦から始まる」(谷川浩司・山中伸弥、講談社+α新書)

 レジリエンスは感謝によって鍛えられる。なるほど。


「上流階級」(高殿円、小学館文庫)はまだ1巻、「楽毅」(宮城谷昌光、新潮文庫)は全4巻再々読了。「虎に翼」について書かれたものを読みたい。このドラマは、制作陣の覚悟とグルーヴ感がすごい。うまく言えないが。

 映画「グロリア」ジーナ・ローランズ死去。「水車小屋のネネ」を読んで観たいと思っていたが、まだ実現していない。

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