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#74 百鬼堂農園(22) 草生えるw
わが農園のタヌキによるトウモロコシ被害を半ば強引に聞かされた、畑仲間の若き同僚が、「けさ採れたばかりのおすそ分けです」とズッキーニを2本くれた。深緑に輝いて美しい。「うれしい、ありがとう。でもお返しできるものはないよ」と応えるほかなかったが、人様にあげられるような立派な野菜をいつかつくってみたいと思った。
さて、梅雨入りしてから雑草の伸びがすごい。とはいえ放置しているわけではないので、草刈り機で一掃しなくてはならないほどではない。ブチブチと軍手で引っこ抜いたり、シャベルで掘り出したりする程度である。が、始めるとかなりの時間を要し、それなりに力もいるので、気がつくと体力の大半を失っていたりする。
「市民農園を借りて畑を始めた」というと、十中八九、草刈り大変でしょう、と言われる。それほどでもないと思っていたが、これからは大変なことになるかもしれない、という予感はある。人生において草刈り機というものを使ったことがないが、ちょっと使ってみたい気はする。持っていないし買う予定もないけど。
熱中症の危険度が増す中、手作業での雑草除去が追いつかなくなりつつある。そこで、YouTube「ひろちゃん農園」で79歳ひろちゃんが使っていると思われる「草取カギカマ」という道具が便利そうなため、入手した。ひろちゃん絶賛、のこぎり状の刃のついた小さな鎌で、すいすいと雑草が取れる。ひろちゃんは「草を引く」と話していたが、この表現は方言なのか、私が知らなかっただけか分からないが、いい言葉だ。
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動物も植物も懸命に生きている。害獣だペットだ、愛らしい草花だ作物に害をなす雑草だ、などと区別分類して、愛玩したり忌み嫌ったりするのは、醜い人間の傲慢さではないか。
…と思わないことはないが、そんなにきれいには割り切れない。やはり雑草はうっとうしいし、このタヌキ野郎!と思わずにはいられない。
一連の農園経営において、雑草の処理が最も徒労感が強い。「あつまれどうぶつの森」で雑草を抜くくらいがちょうどよい。人生それくらいの労働で生きていきたい。