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2020年10月の記事一覧
「人間失格」あらすじ解説【太宰治】2
前回の記事はこちら。
キリスト教批判
作品のラストで、京橋のマダムは言う
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「いいえ、泣くというより、……だめね、人間も、ああなっては、もう駄目ね」
(中略)
「あのひとのお父さんが悪いのですよ」
何気なさそうに、そう言った。
「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」
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つまり
「人間失格」あらすじ解説【太宰治】1
1945年8月、敗戦
1946年1月、天皇の人間宣言
1948年5月、「人間失格」脱稿、同年6月、作者死去
あらすじ
主人公・大庭葉蔵は富豪の子息だが気が弱く、道化で周りのご機嫌を取る子供だった。成長後女性には惚れられたが、薄志弱行にして生活能力がなく、心中をしたり、女性のヒモになったりするだけの人物だった。
そんな葉蔵もある時可愛い女性と生活してゆくことに希望を持ち同棲する。しかし彼女が姦通し