ふくらはぎについて
皆さま、ふくらはぎの状態はいかがですか?
ふくらはぎは、加齢に伴い衰えやすい場所のひとつです。
このふくらはぎを鍛えることで、前方向への転倒予防が期待されると言われています。
また、ふくらはぎは「第二の心臓」とも言われ、全身の血の巡りにも活躍しています。
今回は、このふくらはぎについて紹介します。
ふくらはぎの構造と働き
膝から下の後ろ側が「ふくらはぎ」です。
●下腿三頭筋(かたいさんとうきん)
腓腹筋とヒラメ筋の2つを合わせて、「下腿三頭筋」と呼びます。
この2つはどちらも足首を伸ばす働きをしますが、役割が異なります。
腓腹筋(ひふくきん)
厚みのある筋肉、力強く素早い動き・重心移動を担う。
強力な蹴り出し、歩行の推進力、身体を押し上げる…など
ヒラメ筋
薄くて広さのある筋肉(名前の通り「ヒラメ」に似た形)。
持久力があり、長時間の安定した動きと支えを担う。
立ち姿勢の維持、立位時のバランス保持…など
●人体で一番太く強い「アキレス腱」
腓腹筋とヒラメ筋は1つの腱としてまとまり、踵(かかと)の骨に付いています。皆さんもご存知の、有名な「アキレス腱」です。
人体で一番太く、500kgほどの力にも耐えられる強い靭帯です。
アキレス腱は強い半面、柔軟性に乏しいため、過度な負担がかかると切れやすいのが弱点です。
ふくらはぎの筋肉が硬いとアキレス腱への負担が強くなるため、ふくらはぎの筋肉を動かして柔らかくしておくことが大切です。
アキレス腱は着地の時の衝撃も和らげてくれています!
●「第二の心臓」と言われる「ふくらはぎ」
全身の血の巡りは、心臓の働きだけでなく、筋肉の伸び縮みによっても促されています。
それを「筋ポンプ作用」と言います。
ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、筋ポンプ作用の強い筋肉です。
心臓から最も遠い膝から下の血の巡りは、ふくらはぎの筋肉により、遠い心臓まで血液を運んでいます。
①ふくらはぎの筋肉の収縮=足首の曲げ伸ばし
②筋肉が静脈を押し上げる
③心臓に血液が戻る
生活動作でのふくらはぎの役割
ふくらはぎの2つの筋肉、力強い「腓腹筋」と、持久力のある「ヒラメ筋」が日々活躍しています。
歩行
・・・蹴り出す力・歩く時の重心移動
立ち上がり
・・・体を押し上げて、膝を伸ばす
立ち姿勢での作業
・・・重心移動、立ち姿勢を保つ
高いところに手を伸ばす
身体を押し上げる、重心移動、立ち姿勢を保つ
坂道の下り・階段を降りる
下に向かう身体にブレーキをかける
☆ふくらはぎの筋力低下は、このブレーキをかける働きが弱くなり、前方への転倒につながると言われています
ふくらはぎの運動
※お身体の状態によって心配な点がある方は、主治医にご確認の上、参考にしてください
足首運動
片足だけでかかと上げ
ふくらはぎの筋力強化
➀ 片足立ちになります
② そのまま、かかとを上げて身体を持ち上げます
→左右それぞれ、ゆっくり5回ずつ行います
前後の重心移動
ブレーキ機能の強化、前方への転倒予防に!
①両足を前後に開きます
☆ポイント:バランスを取りやすいように、両手を前方に伸ばしておきます
②前の足に体重を乗せるように、重心移動します
☆ポイント:このように壁際で行うと、運動時の転倒を防げるので安心です
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