
君から遠ざかる
たまに、
ふとした瞬間に、
思い出すんだよ。
過去にあった、悲しかったこと。
両親のこと、
学生時代のクラスメートのこと、
自分がしてしまった失敗、
職場でのこと、
結婚してたときのこと、
いろいろ思い出して、
腹が立ったり悲しくなったりする。
そういうときってきっと、
心がそのときに戻っているんだろうね。
そして何度も何度も同じ場面を繰り返し見てるんだろう。
つらかった場面を、
巻き戻し、巻き戻し、
繰り返し、繰り返し、
見続けている。
今という現実を置き去りにして、過去に戻る。
そう、これは一種のタイムスリップだ。
意識だけ過去に戻り、
過去に起きた悲しい出来事を何度も何度も繰り返し見ている。
それをしているのはおれ自身だ。
誰かにやらされているわけじゃない。
俺がやっている。
でも思ったんだよ。
そんなことをしていたら、
君からどんどん遠ざかっていくって。
過去に起きた悲しい出来事で、心が真っ黒に染まる。
心が真っ黒に染まっていたら、今素敵なことが起きても、それに気づかない。気づいても、それを受け取ることができない。
今俺に必要なのは、心をきれいにしておくことなんだ。
素敵な出来事が起きたとき、気づけるように。
それをスッと受け取れるように。
整理整頓しておく。
きれいにしておく。
シンプルにしておく。
こころのありかたを。
いやな出来事を思い出すのは、しょうがない。
それは急にやってくるから。
でも、
「あっ、いやなこと思い出してるな」
「またつらい過去にタイムスリップしたな」
それに気づけたら、戻ってくることも簡単なはず。
ああ俺はまた、くだらないことを思い出してるな。
また過去のことで心を痛めつけてるな。
それに気づけば、つらい過去に引っ張られた自分を連れ戻せるはず。
今、俺にはなにも悪いことは起きてないから。
過去はどうか知らんよ。
わるいこと、悲しいこと、ひどいこと、あったかもしれんよ。
でも、今、俺にはなにも悪いことが起きてない。
この位置が俺の定位置だ。
過去にとらわれそうになったときは、ここに戻って来よう。
そうやって心をいつも清潔に保っていれば、
自分のこころを守っていれば、
そのうち、とんでもない素敵な出来事が起こると思うんだよ!
こころのありかたなんだよ、すべては。
心が悲しみでいっぱいなとき、悲しい出来事が起こる。
心が希望で満ちているとき、素敵な出来事が起こる。
だから俺はこれから、できるだけ、
心を希望で満たしながら生きていきたい。
目をキラキラさせながら生きていきたい。
いいことも、わるいことも、
探せばすぐに見つかるんだよ。
どっちも、そこらへんにゴロゴロ転がっている。
じゃあ何を探す?
なにを拾う?
それによって人の運命は変わっていくんだ。
俺は素敵なものだけ拾っていきたい。