船越幹央

neoマチアルキ主宰/歴史研究者/フィールドワーカー。日本近代史/都市論。現在、大阪大…

船越幹央

neoマチアルキ主宰/歴史研究者/フィールドワーカー。日本近代史/都市論。現在、大阪大学総合学術博物館。noteでは、僕が歩いたマチの雑感=フィールドノートを中心にアップしていきます。

最近の記事

【フィールドノート/東海地方】浜松・豊橋へ、初めての旅(その1)

 名古屋へ  もともとは名古屋に行くつもりだった。だが、急に思い立って浜松を訪ねることにした。理由は、これまで行ったことがなかったから。  まず、大阪難波から近鉄の特急「ひのとり」に乗り、名古屋へ。そこからJRに乗り換えて東に向かう。ここで、ちょっとした出来事があった。名古屋駅には近鉄とJRの連絡改札口があるが、そこで間もなく大府行きの普通電車が発車すると分かった。急いでトイレを済ませ、ホームへの階段を上ったのはよかったが、最後の1段でつまずき、こけてしまった! 幸い、膝

    • 【フィールドノート/大阪】漁港のある街・福と伝法を歩く(その2)

       高架化する阪神なんば線  帰り道は、暑いので緑陰道路を歩くことにした。ずっと歩くと地下道があって、国道43号を潜る。気付くと福駅よりも北側に来ていた。当初の予定では新淀川を徒歩で渡って伝法に行くつもりだったが、さすがに歩く気力もなく、福駅から阪神電車に1駅だけ乗ることにした。  ホームに立って気付いたのだが、仮ホームなっている。最初に書いたように、ここは高架化されるわけだが、高架橋工事のためにホームを東へ移動したらしい。電車に乗って新淀川を渡ると、水面から何本も橋脚が突

      • 【フィールドノート/大阪】漁港のある街・福と伝法を歩く(その1)

          福に行く  午前9時半を過ぎて阪神尼崎駅のホームに着く。ここで阪神なんば線に乗り換える。尼崎を出ると、すぐ大物に着く。「だいもつ」という特異な地名。ここは本線となんば線の分岐駅だが、普通電車しか停まらない。しかし僕の中では、源平合戦の舞台として歌舞伎にも登場する「大物浦」の故地として記憶されている地名だ。そのあと新淀川を越えると出来島(できじま)、そして福に着く。ここは、大阪市西淀川区である。  福(ふく)というのも珍しい地名である。たぶん、江戸時代の新田開発では松と

        • 街を歩くって、なんだろう?

             はじまりは、豊中  発端は、転職だった。長らく博物館で学芸員をしてきた僕だが、縁あって大学に転じることになった。大学は「豊中」という、これまでほとんど来たことのない街にあった。 豊中は、大阪市の北郊にある人口40万人の典型的な住宅都市。古い表現でいうと「ベッドタウン」で、北部の丘陵には千里ニュータウンが広がり、南部には長屋やアパートが並ぶエリアもある。40万人というと、大阪府内では大阪市、堺市の2つの政令市、そしてロケットも作る「町工場の街」として有名な東

        【フィールドノート/東海地方】浜松・豊橋へ、初めての旅(その1)