山梨勝沼ワイン葡萄農家でお手伝い。当たり前に飲んできた酒は当たり前にできていなかったのだと学んだ。
干杯!
10日(水)、ひょんな繋がりから勝沼でワインの葡萄を栽培している農家竹崎さんの元へちょっとしたお手伝いをしてきました。とてもいい1日になりました。このときのことをまとめます。
なぜ葡萄農家さんへ行ったのか(出会いのきっかけ)
出会いのきっかけとは、僕のYouTubeライブです。竹崎さんが紹興酒について検索していたところ、僕のチャンネルに辿り着いてくれたのです。
竹崎さんからはライブやアップした動画に時折コメントをいただいていて、直接やりとりしたところワインの葡萄農家さんだということを知り、「ぜひ見学させてください!」とお話をして今回に至ったわけです。
僕自身、ワインには疎いものの黄酒と同じ醸造酒だし、とても興味を持っています。作り手さんとの繋がりはあまりないし、その分とてもいい勉強と刺激、そしてご縁になるのではないかと思って、お願いしてみました。酒は人を繋ぐ!
山梨までの道のり・出会い・農家さんの風景
最寄駅は勝沼ぶどう郷。ぶどう栽培発祥の地としても知られる勝沼町。僕はJR中央線を使って八王子→高尾→勝沼ぶどう郷へと辿り着きました。神奈川の家から2時間強ぐらいです。
到着すると、改札を出たあたりのところから手を振る竹崎さんが目に飛び込んできました。
竹崎さんは僕を何度か見ていただいているので既視感ありありだと思いますが、なぜか僕も初めて会う感じがなくて、非常に親しみやすい方でした。
農園まで車で送っていただきました。外には、至る所にぶどう農園がありました。ワクワク!!!
ワインのぶどう栽培の流れをおさらい
ワイン用の葡萄栽培がどんな流れで作られていくのか、まとめてみました。
1~3月 休眠期。樹の剪定や土を耕したりなど
4~6月 新芽誕生、そして開花。余分な芽や花は摘み取る
7~9月▶︎今ココ! ぶどう成熟期。栄養を行き渡らせるための作業に注力
10月~12月 収穫。そしてワイン醸造へ
▼参考 http://iewine.jp/article/4754
今の時期は、ぶどうへいかに栄養を行き届かせるかというのが重要とのこと。
そのための工夫や日々のケアがすごい・・・。
ぶどうの樹は生きています。葉っぱはどんどん生えてくるし、枝も伸びていきます。ただ、大切なことは、直接的な行動で働きかけてぶどうに栄養を行き渡らせること。
枝葉に栄養が流れてしまうと、ぶどうに届く分が減っていってしまう。なので、新梢(幹から新たに伸びた部分)や、枝の上の方に生まれた新しい実などはカットしてしまいます(摘心)。そうすることで「栄養は上じゃなくてぶどうの実に必要なんだよ」という樹へのメッセージになるようです。
こうして言葉ではなく、直接行動で語りかけていくのです。
ぶどうにとって、病気や害虫も大敵です。
ぶどうの病害には「ベト病」「晩腐病(ばんぷ)」などがあります。
樹が真っ直ぐになっておらず、横の枝に倒れていたり、葉っぱ同士が重なっているとベトが繁殖しやすいため、なるべく垂直に誘引することで防菌になるようです。
また、ぶどうの糖度が上がってくると、晩腐病が発生しやすくなります。症状としてはせっかく実ったぶどうがどんどん腐敗していってしまうという恐ろしい病気です。
害虫は、ハモグリダニやカイガラムシ、カナブンなどがいます。カナブンは葉っぱを大量に食べてしまうので、見つけたらその場で潰していきます。
これらは全て、1日やったら終わりというわけではなく、日々絶え間なく継続して行っていく作業です。樹は1列に何本も植えられていて、それが何列も・・・なんという地道で膨大な作業量・・・。しかも今夏は炎天下!
「ここは他のところより2度高いからね。」
40度の日もあったようで・・・恐れ入ります。。竹崎さんは70歳という僕よりも大先輩。すぐに「疲れた〜〜」なんていう自分が恥ずかしい。。。
話を聞き、実際に作業をしながら、目の前に実ったぶどうを見ていると、宝のように輝いて見えましたね。努力と苦労の上になる実です。感動的でした。
ぶどう栽培のお手伝いをして大切なことを学びました。
今回、たくさんのことを学びました。
まず、炎天下の作業は大変だなと思いつつ、とても楽しかったです!
摘心をすると、ぶどうの樹はスマートになり、樹の列もびしっと整理されていきます。竹崎さんも「これが気持ちいいんだよ!」とおっしゃっていました。そういう感覚があるからこそ、続けていけるのでしょう。
自分自身もぶどうと一緒になって光合成しているような気持ちにもなり(笑)とっても気持ちよかったです。
そして、なんと竹崎さんは還暦になってからワイン好きが高じてぶどう栽培を始めたとのことでした。未経験からでも立派なぶどうを育てられるようになっている姿を目の当たりにして、自分も「まだまだこれからだぞ!」と背中を押してもらえたような気がしました。
酒を造るためには地道で膨大で細やかな作業を継続して行っていくのが大前提。めんどうくさがりな自分にとって大きな壁ではありますが、でも、しっかり行っていけば形にすることができるんだというが目の前に成果としてあって。その衝撃は大きく、自分自身を奮い立たせてくれます。
自信のない自分にとって、自分が進もうとしている道の先輩にお会いすることは、非常にプラスな影響を生むんだなと思います。
今の僕ではまだまだかもしれないけど、こうして一歩一歩段階を上がっていき、いつか・・・そのときを夢見ながら前進していきます。
最後に・・・
実は、オフタイムで紹興酒のことをいろいろと語りました。そのときに感じたこともいろいろとあるので、次回まとめようと思います。