自然のわくわくを体感するための道具2選「センス・オブ・ワンダー」感想・書評
引き取った姪の息子との体験
「センス・オブ・ワンダー」とは、「沈黙の春」で有名なレイチェル・カーソンによって執筆されました。
本書は、レイチェル・カーソンの遺稿のようなものです。本文に入る前の冒頭には、このようなことが書かれています。
ロジャーとは、5歳の時に母親を病気で失い、レイチェル・カーソンに引き取られた、姪の息子です。
本書は、このロジャーとレイチェルが、海辺や森で遊んだときのことをベースにして、語られています。
センス・オブ・ワンダーとは
ではまず、タイトルにある、「センス・オブ・ワンダー」とは何なのでしょうか。
(ちなみに、「センス・オブ・ワンダーがあるかどうかが、SFかどうかの定義だ」みたいな議論もあったりします。)
センス・オブ・ワンダーとは、
「神秘さや不思議さに目を見張る感性」。
その前に書かれている「生涯消えることのない」という部分も重要でしょう。
子供から成長し、大人になった私たちは、はたして、自然に「センス・オブ・ワンダー」を持っているのか持ち続けているのか。
危ういところがあると思います。
センス・オブ・ワンダーを持った人が、近くに一人いるかどうか
子供のことを考えたときに、センス・オブ・ワンダーを持っていないことに無責任であるわけにはいきません。
レイチェル・カーソンは、以下のように警鐘をならしています。
買い揃えるべき2つのアイテム
センス・オブ・ワンダーを持つのに、志のようなものが、まず大事であることは想像に難くありません。
しかし、レイチェル・カーソンは、より実用的かつ具体的に、ある2つの物を使うことを提案してくれています。
上等な虫めがね
まずひとつめが、虫めがねです。
木や花、宝石やビーズなどの普段から見慣れているものに、虫めがねを向けてみましょう。
レイチェル・カーソンは、そうすることで、「人間サイズの尺度の枠から解き放たれていく」と言います。
手ごろな値段の役に立つ図鑑
名前を覚えることそのものに、あまり価値を見いだすべきではないと述べつつも、レイチェル・カーソンは以下のように語っています。
すぐ読みきれる分量
本書はページ数が少なく、75ページまでしかありませんでした。写真が本文の間に、何枚も挟まっているので、実際には、もっと少ない分量です。
一日で確実に読み切れて、なおかつ示唆に富む内容だと感じました。
ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」も62ページしかなく、「60分で読めるけれど、一生あなたを離さない本」というキャッチコピーがついています。
レイチェル・カーソンが書いた本書も、同じような感じがしました。
気軽に読めるので、結構良いと思います。
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