ひさたか(hisataka)

小説・実用書・学術書などの書評を書いてます。たまに、やや意識高い系のエッセイも書きます。Amazon.co.jpアソシエイトを利用してます。

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    本の感想・書評の記事まとめです

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    毎月ごとに買った本の紹介をした記事をまとめたマガジンです。

最近の記事

ライトノベル衰退論「どうしてラノベは衰退したのか」なろう小説とネット上でのバッシング

ライトノベルが衰退していった理由 ラノベが衰退してしまったかどうかについては論じません。 ライトノベルを書いている人はいるし、その中には面白いものもありますが、あくまで「衰退した」と仮定したうえで話を進めます。 では、どうして衰退してしまったのか。僕が思うのは単純に、「書く人がいなくなったから」です。いなくなったというのが穏当じゃないと感じるのなら、少なくなったと言ってもいいでしょう。つまり人材不足です。 主に、なろう系のネット小説を書くほうに、人材が流出していった結果、

    • 再読してみたいけど、なぜかできない場合の対処法3選

      なぜか再読ができない状態ネット上(主にTwitter)を見ていると、たまに再読をしている人を見かけます。いいねやリツイートをたくさんもらい、反響がありそうな様を見ると、「自分も再読をやってみようかな」という気分になってきます。 反応があるということは、たくさんの人が認めている有用な方法なのかもしれません。再読している人を見るたびに、そう思えてくるのです。 実際には、反応が良いのは、単にその人自体にファンが多いだけだったり、その本自体が人気でよく知られた作家の書いたものだっ

      • 名刺がわりの本100冊【2024年版】

        自己紹介のために好きな本を紹介する自分自身がどんな人なのかネット上の人にわかってもらうのは、意外と労力がかかることで、一筋縄ではいかない。 そこで、読書家というほど大層なものではないが、読書好きとして自分の好きな本を紹介してみたい。 好きな本に影響を受け自己形成されていったはずなので、腹の中を明かすように素直に晒してみることで、普段考えていることの真意が伝わりやすくなるのではないか。 少なくとも好きな本がわかったことで、それを読んだ側は損をしない(内容によっては時間の無

        • 9月に買った本【2024年】

          9月に買った本 9月に買った本は、計3冊。 すべて無人島ものの小説で、その理由は最近興味があって調べているからです。 「ロビンソン・クルーソー」から始まった無人島ものは多岐にわたり、現代においては全く読まれなくなった作品も多いです。 無人島ものから反ユートピア、ディストピアものにもつながっていくため、そういう作品について興味のある人にとっても、重要な意味を持ってくるジャンルです。 アーサー・ランサム「ツバメ号とアマゾン号」上・下ランサム・サーガと呼ばれる無人島シリーズ

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          8月に買った本(マンガのみ)【2024年】

          8月に買った本(今月はマンガのみ)今月はマンガしか買っていないため、わざわざnoteに書くか迷った。 書かないよりは書いたほうがいいかと結論が出たので、もう10月になってしまったが、書くことにする。 ちなみに、9月の買った本も書く予定。 8月の買った本は計3冊。 佐々木少年「月の珊瑚 愛蔵版」奈須きのこ原作、声優・坂本真綾が朗読した作品「月の珊瑚」を、コミカライズしたもの。 同じ漫画家が描いた「真月譚 月姫」を昔読んで、面白かった記憶があったので、こちらも読んでみよ

          8月に買った本(マンガのみ)【2024年】

          7月に買った本【2024年】

          7月に買った本 7月に買った本は、計4冊。 自分的には割と少なめな量になりました。 金欠なのと、積読が多くまだまだ読む本があるので、それが原因だと思います。 J・P・サルトル「実存主義とは何か」実存主義を広めたサルトルの講演のほか、短編小説などが収録されています。 実存主義について勉強しておきたかったので、とりあえず読んでみました。 講演なだけあって、そんなに難しいわけでもなく、普通に楽しく読めました。 実存主義を知りたい人は、入門的に読むのにちょうどいいです。

          7月に買った本【2024年】

          6月に買った本【2024年】

          6月に買った本6月に買った本は、計10冊(内、2冊はマンガ)。 最近の読書のテーマが、「ユートピア論」や「ディストピア」についてなので、そういう本が多め。 ちなみに、まだ読み始めていない本も含まれるので、勘違いにより本について間違った情報が混ざってしまうかもしれませんが、ご了承ください。 あくまで、買うに至った理由をベースにして紹介しており、未読のものも多いです。 プラトン「国家 上・下」ユートピア論について調べているので、さすがにこの本は避けられそうにないので、購入

          6月に買った本【2024年】

          なぜ「自分で読み返したくなる記事」は書けないのか

          「自分で読み返したくなる記事」は存在しない「自分で読み返したくなる記事を書こう!」 ブログなどのネット上に公開する記事を書く際に、コツやアドバイスとして用いられがちな言葉だ。 私はブログを始めた当初にネット上で文章の書き方を調べて、こういう言い回しに何度か出会った。 だが、私の経験上、どれだけ一生懸命に書いても、そんな文章は生まれてはこなかった。 自分の記事は理由なく読み返したくはならない。むしろ低品質で恥ずかしい。 ずぶの素人が書く文章なんてそんなものだ。開き直る

          なぜ「自分で読み返したくなる記事」は書けないのか

          ひきこもりがニーチェの「超人」を目指すエッセイ 滝本竜彦「超人計画」感想

          「超人計画」というタイトルの意味「超人計画」は、「NHKにようこそ!」の著者である滝本竜彦が書いたエッセイである。 著者は執筆時に新人作家で、2年もの間、小説が書けずに困っているところ、このエッセイの依頼が来たらしい。 このタイトルにある「超人」とは、哲学者ニーチェの言う「超人」のことだ。 ひきこもりの著者は、「超人」になりさえすれば、すべてが好転すると考える。 そして、「ツァラトゥストラ」をもう一度熟読することで「超人」となり、ひきこもり生活からの脱却を目指す。

          ひきこもりがニーチェの「超人」を目指すエッセイ 滝本竜彦「超人計画」感想

          ブレンターノ「天才・悪」感想

          天才について学びたくてブレンターノはドイツの哲学者で、フッサールの現象学に大きな影響を与えた。(と、本の表紙裏にそう書かれてあった。) ぶっちゃけ誰なのかはわからなかったのだが、「天才」について調べたかったので、とりあえず買って読んでみた。 「天才」と「悪」の2つの論文を収録している。 届いた本を開いてみて驚いたのは、旧漢字を使用していること。 帯には2018年春のリクエスト復刊と書かれている。 訳文がある程度古いことは覚悟して購入したものの、旧漢字にびびりちらかし

          ブレンターノ「天才・悪」感想

          「考えながら書く」という手法

          考えながら書きたいという想い最近、考えながら書くという手法に興味が出てきて、採用している。 「考えながら書く」の反対は、「考えてから書く」であり、自分はこの方法を使うことが多かった。 つまり、まず構成を考えて、それから執筆するという方法である。 しかし、この方法だと欠点があるのではないかと感じるようになってきた。 フットワークの重さと軽さまず、フットワークが重くなる。これは大問題だ。 というのも、自分はあまりアウトプットすることに積極的でない性格なのだ。 「考えて

          「考えながら書く」という手法

          「純(百年文庫96)」感想

          3つの短編普段は、本を読み終わったら、twitterに感想をつぶやいている。 ひさたか@読書垢(@hisataka0)さん / X (twitter.com) けれど、今回は絶版してる本なので、わざわざ不特定多数の人の目に留まるTwitterで書くのもどうかと思い、noteに書くことにした。 載っている短編は、武者小路実篤「馬鹿一」、高村光太郎「山の雪」、宇野千代「八重山の雪」の3つ。 「馬鹿一」は最近になって別の本で出版されている。 「山の雪」は版権が切れていて青空

          「純(百年文庫96)」感想

          備えのための能力を育てる

          能力はいつか必要になる時が来る 正直、ぼくはあまりアウトプットが好きではない。面倒くさいし、何のためにやるんだろう、労力の無駄じゃないかと思っている。 でも、積み重ねた経験はいつか役に立つ時が来るかもしれなくて、 そういう時に備えが足りないと、後悔する。 なんでやっておかなかったんだろう、適当にでもいいからやっておけばよかったと、その時になって後悔する。  必要になってからでは遅い。そういう能力がある。 アウトプットは非効率的でもいい。やってさえいれば。だからもし、

          備えのための能力を育てる

          監視社会(ディストピア)を描くSF小説 ジョージ・オーウェル「1984年」感想・書評

          ジョージ・オーウェル最期の著作「1984年」は、「動物農場」で成功を収めたジョージ・オーウェル氏の最後の著作である。 巻末の解説によれば、「1984年」は、作者自身が失敗作になることを予見しながらも書かれたものであるらしい。 個人的な感想「1984年」は三部構成になっている。一部はSFとして楽しめるので、ここまではだれでも楽しめるだろう。二部もそれなりに良く、恋愛的な要素が絡んでくるので、SF的な要素はそこまで多くはないが楽しめた。なによりヒロインがよい。ヒロインは登場時

          監視社会(ディストピア)を描くSF小説 ジョージ・オーウェル「1984年」感想・書評

          自然のわくわくを体感するための道具2選「センス・オブ・ワンダー」感想・書評

          引き取った姪の息子との体験「センス・オブ・ワンダー」とは、「沈黙の春」で有名なレイチェル・カーソンによって執筆されました。 本書は、レイチェル・カーソンの遺稿のようなものです。本文に入る前の冒頭には、このようなことが書かれています。 ロジャーとは、5歳の時に母親を病気で失い、レイチェル・カーソンに引き取られた、姪の息子です。 本書は、このロジャーとレイチェルが、海辺や森で遊んだときのことをベースにして、語られています。 センス・オブ・ワンダーとはではまず、タイトルにある

          自然のわくわくを体感するための道具2選「センス・オブ・ワンダー」感想・書評

          哲学を図解・図説で読むならこれ一択!「哲学用語図鑑」感想・書評

          先延ばしになっていた哲学の勉強今年は哲学の勉強をするぞー!と意気込んでいたのですが、気がつけばもう9月。 さすがに、そろそろ着手しないと格好がつかないなと思い、本棚からこの本を引っ張り出してきました。 図説が多めで、取っつきやすい図が7割、文字が3割みたいな感じなので、抵抗感なく読めました。 絵が三頭身くらいで、かわいい感じなので、哲学のちょっと堅苦しい印象を和らげてくれて良かったです。 文章も良く、本格的文章も多すぎず、かといって少なすぎもせず、いい案配でした。 図が多

          哲学を図解・図説で読むならこれ一択!「哲学用語図鑑」感想・書評