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HSPにおすすめの一冊|みきいちたろう著『発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体 【自分を責めてしまいがちな方へ】』

「HSPというのは状態かもしれない」という仮説を立てている。

さまざまな原因があってHSP気質になるものなのだが、その要因は各々によってちがっている。よって「HSPだから〇〇」「〇〇の人はHSPになる」という決めつけは少々乱暴にも感じる。

HSPとは、あくまで気質だ。

今回ご紹介するのは、公認心理士のみきいちたろうさんの著書。

本の帯に「発達障害と似た症状はストレスが原因だった」とあるが、HSPと発達障害には共通点が多い。

本書の中で感覚過敏に触れている箇所があった。

トラウマの影響によって、感覚が過敏になることがあります。光や音が苦手、風邪やシャワーが肌に刺さるようで痛い。特定の匂いが苦手。身体に触れられるのが苦痛で仕方がない。また、人がそばにいることが耐えられない、というようなことが起こります。近年、HSP(敏感すぎる人)といった概念で捉えられているケースの中には、トラウマ由来のものも含まれていることが考えられます。

本書「症状㉑感覚過敏、感覚鈍麻」

ある方が「HSP気質を過少にも過大にも評価する必要はない。ただ自己理解の一助にすればいい」といった旨を口にされていたが、本書を読んで改めてその意見に同意した。

僕はnoteでよくワーカホリック(仕事依存、仕事中毒)だった過去について触れているが、トラウマを背負っている人は努力家、過度な頑張りをする人が少なくないと本書で解説されている。

自責傾向が強く、傍からは「悲壮感が漂うほどの涙ぐましい努力」と映るのに当人は「みんなこれくらいやっている」「これくらいやるのは当然のこと」と捉えるのだ。

毒親問題にも触れられており、アメリカの人類学者グレゴリ・ベイトソンの発見した「ダブル・バインド(二重拘束)」とハラスメントの関係についてわかりやすい説明があった。

年明け早々にこんなことを述べるのも早計だが、上半期を振り返ったときに僕の中で「心が動き学びになった本ランキング」の中の上位に入りそうなほど濃密でたくさん勉強できる内容だった。

HSPへの理解をさらに深めたい方へおすすめの一冊だ。


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