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人生の前半で上手くいったやり方を、人生の後半に適用しても上手くいかない理由
人生は四季を繰り返すことに似ている。
時間とともに移り変わっていき、その中で息づくあなたもどんどん変容していく。
「中年の危機」という言葉がある。
ミッドライフクライシス、ミドルエイジクライシスと言われ、「人生の正午」にあたる時期に憂鬱な気分に悩まされる人が多い。
中には己の半生を振り返り「こんな生き方で良かったのか」と自責の念にさいなまれる人も。
僕はこの時期こそ「生き方を変えるチャンス」だと捉えた方がいいと考えている。
これまでに上手くいったこと、いかなかったことを一度リセットして、再び人生を生き直す。日々を充実させるために、いろいろと見直し立て直す絶好の機会だ。
執着するもの、固執する対象がある人ほど悩み苦しむ。
天は「その重たい荷物をそろそろ下ろす時期ですよ」と忠告してくれているのだが、それを聞き入れる人、聞き入れない人がいる。
「自分にはこのやり方が正しいのだから、やり方は変えない」と頑なな人は「人生の正午」を過ぎても同じ苦しみを味わう。
苦しいのなら、因果を変えればいいのだ。
これまでに上手くいったやり方は、今のあなたにとって不必要なものになっているかもしれない。
我執に苦しむ人ほど自分しか見えていない。
視野が広くなると、人生はもっと楽しいものになるのに。
何を選んで人生の後半戦に入るのかは、各々の自由だ。しかし執着が強すぎる人で、幸せそうな中年期、壮年期を過ごしている人を見たことがない。
荷物を下ろし、にこにこと楽しそうに笑っている人は我執に苦しんでいない。
凝り固まる人生あれば、凝り固まらない人生もある。
生き方をリセットするなど、変化を恐れない人は「人生の正午」以降を鼻歌まじりで生きられる。
どう抗おうと人生は変容の連続なのだから、執着は早い段階で捨てた方がいい。
全て捨て去るのは困難でも、軽くすることはできる。
人生を楽しめる人は、もちろん凝り固らなかった方の人たちである。