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#61 ワーママがキャリアの階段を下りるのは、悪いことじゃない。
最近よみかえしたLIFE SHIFTという本で、興味深い1文がありました。
いろいろな意味で最も注目すべきなのは、ジェーンが食品業界に復帰して、昔より低い地位の役職に就くというシナリオだ。一般に、企業でのキャリアは「階段」という言葉で表現されてきた。年齢を重ねるとともに出世の階段を上り、地位が高くなっていくというイメージだ。
いずれにせよ、企業の「階段」を上るだけでなく、下る決断をくだす人がどんどん増えていくだろう。人々が100年ライフにあわせた生き方と働き方を実践しはじめるにつれて、この点が大きな関心事になることは間違いない。
あ、わたしって、「キャリア=階段」という思考にとらわれてたんだなと、感じたんですよね。
でも、これ、2人目の育休のいまだからピンときたと感じていて。
独身時代、1人目の育休、2人目の育休…とどうキャリアへの向き合い方がかわってきたか、整理してみます。
「育休をとったらキャリアにブランクができてしまうかも」「キャリアって結局何なんだろう」とキャリア迷子になっているワーママさんには発見になるかもしれません。
独身時代のわたし
会社の希望研修は、必ず参加していました。
内容が魅力的だから、じゃなくて、受けなかったら周りより劣ってしまう!とビビってたから。
のぼれる階段は1つでものぼっとかなきゃ、と知らず知らずのうちに思ってました。
会社というたった1つの世界=ほぼ、自分の全部みたいになってて、周りの人に負けないようにがんばらなきゃと、ただ勝手に思ってたのです。視野がせまかったな…
1人目育休を終えた時のわたし
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1年育休をとることで、同期より昇進タイミングが、そのまま1年遅れました。同期の間で昇級タイミングがほぼずれてないので、就業期間が短い=遅れるにつながったからです。
悔しい!となるかと思いきや…
わたしの気持ちはとっても楽になりました。
それまで人との比較を意識して動いてて、正直しんどかった。
いったん遅れたら、自分の頭の中での「比較対象」が減って、自分のペースで進もうと思えるようになりました。
階段がみんなより低くなったことに安心した、というのは、まだまだ「キャリア=階段」という思考にとらわれている証拠でもあります。
会社員とはちがう形のキャリアである複業、サードプレイスという会社や家庭以外の居場所というものの考え方を知って、少しずつ、会社でのキャリアがすべてではないよなぁと実感しはじめたのもこのころです。
正直、こう気づけたのは、何をかくそうわたし自身が育休=キャリアブランクと感じて焦ったゆえに、会社員として以外の行動が生まれたからなんです。オンラインで新たな人とのつながりを得たことで、いやそもそもブランクじゃないのでは?と新たなものの見方を手に入れることができました。
2人目育休中のわたしにとってのキャリア
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LIFE SHIFTをよんで、わたしはまだまだキャリアを下ること=悪いこと、という思考にとらわれてるなと気づかされたんですよね。
グラフィックレコーダーとして活動しても、あくまで会社員としてのキャリアはのぼる一方としか、とらえられていなかった。だから、同期とのレースからは解放されても、次は後輩がどんどん自分にはない経験を積んでいるのが気になったりしてました。
正直、1人目育休から復職の時、時短勤務が候補になかったのは「より遅れる」という誰かとの比較が頭にあったからかもしれません。
でも、キャリアの上下って、本当はこだわることじゃないよね、と心の底では感じていた自分がずっといたように思います。
チームでいい仕事ができる。そんなチームの中で、自分の存在価値は確かにあると、自分自身が思える。そういう仕事がしたいんじゃない?
地位が上がるほど責任も上がるからお給料はいただけるのはわかる。でも、地位に関係なく、みんなで建設的な話し合いがしたいからグラレコを始めたんでしょ?
まだ、すぐには自分の思考のクセを取れる気がしません。
でも、まずはそんな自分に気づけたのが良かったんじゃないかなと思います。
このnoteを書いていて、新人の時の上司との1on1を思い出しました。
具体的な仕事に対する知識がなかったわたしは、「将来どうなってたい?」と聞かれて、「いてよかったと思われる人でいたい」と答えたんですよね。
今、キャリアの階段を下るような選択がすぐあるわけじゃないけれど。
悪いことじゃないんだよ、ということは忘れずにいたいなと思います。
▼このnoteを書いた人
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「手書きのチカラで、伝わる実感を育てる」をモットーに活動するグラフィックレコーダーです。中身は2児のワーママ会社員。
ビジュアルシンキング・グラレコのコツや活用法を発信中。いそがしい毎日でも一歩をふみだせる、ビジュアルシンキング教室も開催しています。