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読んだ本(2024年10月下旬)

10月下旬の読了本。
下旬は二冊で終わりかと思っていたが、図書館で蔵書点検休み明けに予約本がドサッときて勢いで二冊読んで計四冊。(「カレイド~」は中旬から読んではいたので純粋にこの期間なのは三冊)

チームバチスタのシリーズを読了したのでまとめてみた。


カレイドスコープの箱庭 / 海堂尊

閉鎖を免れた東城大学医学部付属病院。今回の依頼は、誤診疑惑の調査。田口&白鳥コンビが調査に乗り出した!

積読消化。これで田口・白鳥シリーズ一段落。
ブラックペアンのシリーズをどうしようか悩むがずっと海堂作品を読んでいたら他の作家さんをどんどん読んでいくという自分の目的と反対へ行ってしまいそうなのでまた他を一巡した後にということにする。
本の紹介などを読んでもわかるし、海堂氏自身も巻末の「放言日記」に書かれているが一連の物語自体は一旦前作(ケルベロスの肖像)で終わっている。作者いわく本作は「物語を終わらせるのに必要な作品」とのことである。
内容はいつも通り院内の事件を解決する話で原点にもどって医療ミステリー調ではあるのだが、雰囲気としては後日談。
他の小説・ドラマなどでも物語の最後に後日談を入れて物語後の世界を想像させる手法を見る事は良くあるが、あれを一冊まるまる使ってやっている感じ。桐生もでてくるしすずめ四天王も勢ぞろいするなど、作品世界のオールスターを集めるための物語という感じだろう。
巻末の放言日記はいらないなあと思った。読んだけど。という自分の感情から、おそらく自分は作品世界が好きなのであって海堂氏自身のファンではないのかもとも思った。

夏の終わりに君が死ねば完璧だったから / 斜線堂有紀

最愛の人の死には三億円の価値がある――。壮絶で切ない最後の夏が始まる。

積読消化。
今週は職場近くの図書館が蔵書点検になっているため、コンピュータ上は予約本が受け取り待ちになっているが、来週まではとりに行けない。とはいえ長い作品を読むほどの期間ではないので以前の記事で書いた通り斜線堂さんの積読をチョイス。
本作面白いんだけど読後感としては何か物足りないものが残った。落とし方も良いし伏線の回収もきれいにやってる。読んですぐは何が足りないのかよくわからなかったが時間が経つと少し見えてきた。
メインテーマに関しては読む前から何となくどうするのか読めるし、実際物語中盤で方向性が示される。それはそれでわかっていることなので良いし上述の通り話の仕舞い方はうまい。何でかと考えてみると相続云々の「愛と金」の部分を除いたら残るのは日向と弥子の恋愛までにはいかない人間関係の部分だけになるが、中途半端なのだ。おそらくあらすじを見て自分の中ではもっと感情的に激しいものを想像していたんだと思うが、何だかそこがずれていたのが原因だろう。もう少し年齢差を近づけて設定を弄れば自分の考えてた雰囲気に近づくとは思うが、それが良い作品になるかというと謎だ。

生きのびるための事務 / 坂口恭平(作)道草晴子(画)

<事務>は、夢を現実にする技術。作家、画家、音楽家など多彩な活動を行う坂口恭平が、スケジュール管理や、必要なお金の確認、継続するコツなどを漫画で伝える。

職場近くの図書館の蔵書点検が終わったら予約本が三冊まとめて受け取り待ちになっていた。そのうちの一冊(他は「成瀬は信じた道をいく」「国道沿いで、だいじょうぶ100回」全部次の予約が入っていて延長できない状態)。通常漫画はまとめて別記事だが、内容的にはこちらの方があっているのでここに感想を残す。
本書の主題は「見える化」だ。それも製造業などで進捗を見える化とか営業で売上を見える化とかではなく、人生の目標を達成するためにどのようにしていくか、ということを筆者の経験をもとに見えるようにして行動指針を示すという内容。
会社の研修とかでもやる"AS IS"と"TO BE"でギャップをどう埋めるかというあれを自分の人生目標に対してやるという感じの本。

国道沿いで、だいじょうぶ100回 / 岸田奈美

弟がカレンダー職人になって大金を稼いだり、空港で札束の詰まったリュックを見つけたり、人生最悪の病院で注射を打たれたり…。笑いと涙と他者への想像力とともに軽やかな筆致で綴る爆走エッセイ。

図書館で三冊まとまって借りたものの2冊目。
家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった」と「傘のさし方がわからない」に続く三作目。だが「傘の~」はまだ読んでなかった。
以前の作品と同様岸田家の日常を描いたエッセイ。
二作目を読んでないので途中の変化がわからないが、詩的な表現や特定の誰かにあてたメッセージ性の強い話がところどころあり。
「家族だから~」は過去の話が多かったが本作は現在の話、とりわけ弟さんに関する内容が多め。

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