たった15分で採用のKPIが全部分かるようになります。
御社の採用KPIは何を定めていますか?
ある人事担当者の会話です。
A「え?そんなもの採用人数でしょう?」
B「いやいや、採用単価だよ」
C「いかに辞めさせないかも重要だよ」
B「あと採用で掛かった経費を回収しないとね」
A「それ、どうやって計算するんだよ?」
全員「……」
みんな間違ったことは言っていないと思いますが
3人の主張はそれぞれ異なりますよね?
Aさんは、採用活動における結果を
Bさんは、採用にかかる経費を
Cさんは、採用後の離職率を
それぞれ話をされています。
では、採用に纏わるKPIとして
思いつくものを網羅してみましょう。
あまり細かくなり過ぎず、一般的な情報として
今回もAIの力を借りて検索してみました。
①応募者数:応募した人数
②選考通過人数/率:選考に通過した人数やその割合
③内定数/率:内定が決まった人数やその割合
④内定辞退数/率:内定を辞退した人数やその割合
⑤採用チャネルごとの費用対効果:各採用チャネルのコストパフォーマンス
⑥採用コスト:採用にかかった総費用
⑦採用単価:1人あたりの採用コスト
⑧採用後の離職率/定着率:新入社員の定着率や離職率
あなたの会社でも、こんな感じで
数値を追いかけているのではないでしょうか?
「採用人数と経費しか意識していないよ」
という方も安心してください。
今回の記事で何を目的として
どのような手段でKPIを追いかけていけばよいか?
これが分かるようになります。
ぜひ、最後までお付き合いください。
1.KPIとKGIの違い
この話を始めるにあたって
まずは言葉の定義から確認したいのですが、
KPIとよく似たことばでKGIがあります。
この両者の意味は以下の通りです。
KPI(Key Performance Indicator)
…プロセスの進捗や成果を評価するための指標
KGI(Key Goal Indicator)
…最終的な目標達成を評価するための指標
組織全体の目標やビジョンに直結する数値
KPIがプロセスの評価であり、
KGIは目標達成を評価するための指標です。
多くの企業は採用人数をKGIとして動きます。
もう少し正確に言えば
一地域、一職種ではないと思いますので
各地域、各職種ごとに採用人数があり
これが採用計画となって、充足率という形で
追いかけている企業が多いと思います。
それでは冒頭でたくさんのKPIがあり
「何だか大変そう…」と感じている方が
いるかもしれません。
この中でも重要な指標はどれで
何を目標に数値を追いかけていけば良いか
もう少し深堀して検証してみましょう。
2.KPIはどれが適切か?
①応募者数:応募した人数
②選考通過人数/率:選考に通過した人数やその割合
③内定数/率:内定が決まった人数やその割合
④内定辞退数/率:内定を辞退した人数やその割合
⑤採用チャネルごとの費用対効果:各採用チャネルのコストパフォーマンス
⑥採用コスト:採用にかかった総費用
⑦採用単価:1人あたりの採用コスト
⑧採用後の離職率/定着率:新入社員の定着率や離職率
上記の中で一番重要な指標は何か?
どの数値は無視しても良い指標なのか?
あなたは分かりますか?
こうして並べられると、
全部追いかけないと…と思えてきますよね?
こんな時は一度、情報を整理してみましょう!
まず、日々の進捗としておかけていくもの
はどれでしょうか?
【日々の進捗を示す指標】
①応募者数:応募した人数
②選考通過人数/率:選考に通過した人数やその割合
③内定数/率:内定が決まった人数やその割合
④内定辞退数/率:内定を辞退した人数やその割合
といった所ですね。
こちらは過去の記事でも数値の見方を
解説しているので参考にしてみてください。
こちらの記事でもご紹介している通り
採用は進捗の「歩留まり」から始まる
といっても過言ではありません。
各工程の進捗人数を一纏めに管理するだけで
全部の数値が網羅することができます。
そして、重要な指標とは
「今、自社でボトルネックになっていること」
をKPIにして追いかけてください。
例えば、選考通過率が低いというのであれば
どの工程で問題を引き起こしているか?
これを追いかけるのです。
・履歴書の提出を事前に求めるなら、
郵送が面倒だったり、データをアップロード
する辞退がハードルになっていないか?
提出を後にするとか、対面なら持ってくる等。
・適性検査の通過率が低いくないか?
少し基準を下げたり、他の結果とも比較して
総合的に判断するように変更する等。
・採用面接なら、基準が厳し過ぎないか?
圧迫面接をして求職者から次の選考を辞退
されてしまっていないか?
基準の変更や面接者への研修が有効な手段。
このような打開策を講じて、
結果が数値に表れているか追いかけるのです。
次に、月次でおかける指標と
更に目的別に分けてみましょう。
【月次でコスト管理に使う指標】
⑤採用チャネルごとの費用対効果:各採用チャネルのコストパフォーマンス
⑥採用コスト:採用にかかった総費用
⑦採用単価:1人あたりの採用コスト
こちらは広告費だけに着目しがちですが、
人件費や式典(入社式や内定式)、イベントの費用
も当然考慮して採用コストに対して
何名の採用ができたのか評価するべきです。
例えば、アルバイトを集めるコストとして
説明会1回:人件費(2万円)+広告費(8万円)
だとすると、計10万円のコストです。
地域や仕事内容にもよりますが
最低でも5名(採用単価では2万円)は
採用していないと話になりませんよね?
新卒採用の場合はインターンや式典等もあるので
更にコストは増大していきます。
毎年の予算は使い切るという発想ではなく
適切な金額設定なのか?も採用担当者なら
ぜひ頭に押さえておきましょう。
【月次/四半期で人事の管理に使う指標】
⑧採用後の離職率/定着率:新入社員の定着率や離職率
こちらは説明は不要かと思います。
入社後の定着率という指標で考える企業も
いますが、同じことを指します。
新卒なら3年で約3割は辞める
中途ならそれ以上
これを仕方がないと捉えずに
自社の数値はどのあたりが適正か?
人事部とも相談して採用ではより退社する要因
を発生する因子をもった人物を採用しないと
いう対処は必要になってきます。
ちなみに、細かい説明は
以下のサイトを参照して頂きたいのですが、
相関関係を調べる方法として『回帰分析』を
ご紹介しておきます。
回帰分析というのは
Aという指標とBという指標に
関係性があるか否かを調べる手法です。
また、その関係性の深さを
1.0をMAXとして評価することが可能です。
0.4あれば、相関関係ありと認識して
差支えないと思います。
私はこういう分析が好きなので
色々と調べてみるのですが、
離職する人の傾向値はある程度
この調査で項目がはっきりと出ます。
例えば、人間関係を損なうような
いわゆる「嘘つき」の傾向がある人間は
SPIとかでも傾向に表れます。
また、これは他の数値を使ってみると
いくら費用をかけたら、何人とれるのか?
どの媒体へ予算配分をすれば最も効果が
発揮されるのか?といった未来予測…
再現性を測る公式を導き出すために
使うという手段も有効かと思います。
例えば、これは当たり前だと思うかも
しれませんが、広告費と応募単価には
ある程度の相関関係が認められます。
採用単価ではない所が
着目するべき点であると私は思っていて
よくマーケティングの世界でも
認知はお金で買える
しかし、
認知向上が売上に直結するとは限らない
この理論に近いと感じています。
そういった意味でも
少しマーケティングの視点を持つと
採用活動が楽しく感じられますよ。
3.決定的に欠けているもの
もう一度、冒頭のKPIを見てみましょう。
①応募者数:応募した人数
②選考通過人数/率:選考に通過した人数やその割合
③内定数/率:内定が決まった人数やその割合
④内定辞退数/率:内定を辞退した人数やその割合
⑤採用チャネルごとの費用対効果:各採用チャネルのコストパフォーマンス
⑥採用コスト:採用にかかった総費用
⑦採用単価:1人あたりの採用コスト
⑧採用後の離職率/定着率:新入社員の定着率や離職率
これは大企業ほど陥りやすい傾向ですが
冒頭で示した8つのKPIで1つ、
決定的に欠けているものが分かりますか?
ピンと来ない人のために、一つヒントを出します。
採用の目的が
『上司の指示を忠実に実行する駒が欲しい』
という思想なら問題なさそうですが…
もう答えは解りましたよね?
上記のKPIには
『活躍指標』が含まれていないのです。
何をもって活躍というかは色々な尺度があり、
あくまで一例として考察しますが、
活躍指標=職位の等級 × 平均評価 × 勤続年数
この数式は如何でしょうか?
(勤続年数はそのまま掛けるより、
一定の変換をした方が適切かもしれません。)
職位の等級はそのまま上位の職位を任せられる
ポテンシャルがあると思って採用した訳なので
きちんと職位に就いている必要があります。
平均評価は、直近だけですとチームとしての
評価がたまたま良かったという場合もあるため、
直近でも年単位の平均を算出した方が
より精度があがるのではないか?と思いました。
勤続年数はそのままの意味で、たとえ優秀でも
直ぐに転職を繰り返し、キャリアアップを目的と
するジョブホッパーでは長く活躍は見込めません。
そういった意味でも必要な指標だと思いました。
このように、入社後の社員の成果は
育成部署が担当するので採用は関係ない
つまり、
社内部署の力学で語ってはいけない
と申し上げたいのです。
はっきりと目に見えて分かり易いのは
営業会社であれば、売上(あるいは利益)で
評価の指標とする方法もありますね。
採用にかけた経費がきちんと回収されているか?
という視点で採用経費と入社後の活躍によって
生み出された利益で計算する企業もあります。
ただし、間接部門の社員も居ますから
中々お金で計算できるか否かは
個々の企業によって事情が異なりますよね?
いずれにしても、採用の目的は
入社後、辞めずに長く活躍してくれる社員を
必要な人数確保することですから…
採用した社員が活躍しているのだろうか?
この視点は忘れないようにしてください。
以上のことから、
活躍指標も追跡しながら、選考設計すると
適切な人材の確保ができると思います。
先ほどの章でご紹介した回帰分析を使うと
SPI等の指標からも将来活躍する可能性が
高い人の人物像が数値で見えてくるかも?
(実際はバラつきが大きく、大きな枠での
傾向くらいしか掴めないのが実情です。)
今回の記事は如何だったでしょうか?
KPIは採用の歩留まりの記事でもご紹介した
理論に多く含まれている指標になります。
これがいかに重要であるかは
もう説明の必要がないと思いますが、
逆にKPIが多過ぎて、数字の集計に疲れる
という問題があるのも事実です。
予めフォーマットを準備して
事務担当者の数値を入力してもらうだけで
計算結果は自動的に出るよう、
期初にしっかり設計をしておきましょう!
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