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採用戦略の急速な進化:10年で一変した採用活動の実態

はじめまして。
蘓 伸太郎(いける しんたろう)と申します。
 
株式会社アローリンクという会社で新卒採用のコンサルタントとして日々いろんな企業様のサポートをさせていただいているのですが、弊社の採用事例含め、これまでやってきたことが採用担当の皆さんのお役に立てるかもしれないと記事を書いていくことにしました。
母集団形成から選考フロー、内定者フォローなど、新卒の採用戦略にお悩みの方のお力になれたらと思います。

 簡単に自己紹介です。
16年に新卒として株式会社アローリンクに入社。
新卒採用担当として従事し、不人気業界でありながら3500名の母集団獲得に成功し、年間60名以上の採用目標を達成。着任当初は内定辞退率が40%を超えていましたが、着任3年目には辞退率をなんとか15%を切ることができました。

今では業界、企業規模問わず多数の企業様の新卒採用のサポートや採用管理ツールのご提案をおこなっています。

そこで得た成功事例、失敗事例など含めて発信できればと思います。


1. デジタル革命が変えた採用活動の姿

10年前、2014年頃の採用活動を思い出してみてください。当時もインターネットは普及していましたが、主な情報源は企業のウェブサイトや就活ポータルサイトでした。それが今では、InstagramやTikTokといったSNSが採用活動の主戦場となっています。
企業は単に情報を発信するだけでなく、動画コンテンツやインタラクティブな体験を通じて、自社の魅力を伝える工夫を凝らしています。就活生も受動的な情報収集から、積極的に企業とコミュニケーションを取る姿勢に変わってきました。
このデジタルシフトにどれだけ適応できているかが、採用成功の鍵を握っています。自社のSNS戦略や動画コンテンツの質、オンラインでの双方向コミュニケーション能力を見直す必要があるでしょう。

2. インターンシップの位置づけの変化

10年前、インターンシップは一部の学生が参加する特別な体験でした。しかし今や、就職みらい研究所の調査によると、2024年卒の大学3年生の93.6%がインターンシップに参加しています。

この変化は単に量的なものだけではありません。かつては夏季休暇中の1~2週間程度が主流でしたが、今では1dayインターンシップや、逆に長期のプログラムなど、形態が多様化しています。また、インターンシップが事実上の早期選考の場となっている面も否めません。

企業側も、形式的なプログラムではなく、学生に真の価値を提供し、かつ自社の魅力を効果的に伝えられるプログラムの設計が求められています。

3. 「採用弱者」問題の顕在化

 10年前も大手企業と中小企業の採用力の差はありましたが、この10年でその格差はさらに拡大しました。リクルートワークス研究所の調査による2025年の有効求人倍率を見ると、大手企業(5,000人以上)の0.34倍に対し、中小企業(300人未満)は6.50倍と、その差は歴然としています。

この「採用弱者」問題は、単に企業規模だけの問題ではありません。デジタル戦略の巧拙、ブランド力の差、そして新しい世代の価値観への適応力など、複合的な要因が関係しています。

4. コロナ禍がもたらした劇的変化

 2020年に始まったコロナ禍は、採用活動に革命的な変化をもたらしました。10年前には想像もできなかったオンライン面接が当たり前となり、リモートワークの普及は働き方の概念自体を変えました。

この変化に適応できた企業とそうでない企業の間で、採用成果に大きな差が生じています。今後は、対面とオンラインのハイブリッド戦略が重要になるでしょう。

5. Z世代の台頭と価値観の変化

10年前の就活生と現在のZ世代では、仕事に対する価値観が大きく異なります。かつては終身雇用や安定性を重視する傾向が強かったのに対し、今のZ世代は「自己実現」「社会貢献」「働きがい」を重視します。
企業側も、単に待遇の良さをアピールするだけでは通用しません。自社がどのような「意義ある仕事」や「成長の機会」を提供できるのか、そしてそれをいかに効果的に伝えるかが、採用成功の鍵となっています。

変化を味方につける

この10年間の変化は、採用活動に大きな課題をもたらしましたが、同時に新たな可能性も開いています。デジタル技術を活用し、新しい世代の価値観に寄り添い、自社の魅力を効果的に発信することで、「採用弱者」からの脱却は可能です。

次回は、これらの変化を踏まえた具体的な採用戦略について、詳しくお伝えします。変化を恐れず、共に新しい採用のあり方を探っていきましょう。

株式会社アローリンク 蘓 伸太郎


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