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"浪費型採用" から "投資型採用"で離職率を5%にまで改善した話

投資型採用と感情リクルーティングで内定承諾率を大幅アップする方法

こんにちは、採用支援サービス Saimaneを提供している、
アローリンクの蘓(いける)です。

新卒の内定式も終わりひと段落と思いきや、すぐに次年度の採用がスタート…。採用担当者としては、「どうやって優秀な人材を確保するか」「採用コストを抑えながら効果的に採用を行うにはどうしたら良いか」など、課題が山積みですよね。

特に、新入社員の早期離職や年々厳しさを増す採用市場での競争に苦労している方も多いのではないでしょうか?

今日は、そんな皆さんの悩みを解決するための、革新的な採用戦略についてお話ししますね。

今日は、これまでの「浪費型採用」から脱却し、長期的な視点で採用活動を成功に導く「投資型採用」について詳しく解説します。

さらに、候補者の心に響く「感情リクルーティング」の手法を取り入れて内定承諾率を大幅に向上させる具体的な戦略もお伝えしますね。

効果的な採用スケジュールの立て方や学生に刺さるキーワードの活用法など、実践的なノウハウもご紹介します。

採用市場の競争が激化する中、これらの手法を身につけることは、会社の未来を左右する強力な武器となります。

この記事を読み終えた後には、新たな視点と具体的な施策を手に入れ、自信を持って次の採用シーズンに臨むことができると嬉しいです。

では最後までお付き合いください。


「投資型採用」とは?

従来の「浪費型」採用との違い

まず、「投資型採用」とは何か、そして従来の「浪費型採用」との違いについてお話ししましょう。多くの企業が実施している採用手法を、私たちは愛を込めて「浪費型採用」と呼んでいます。
では、「浪費型採用」とはどのようなものでしょうか?

「浪費型採用」とは?

「浪費型採用」には次のような特徴があります。

短期的な効果に依存
毎年、多額の予算を母集団形成に投入するものの、その効果は一時的です。
繰り返しの負担
翌年にはまた一から母集団形成をやり直す必要があり、毎年同じ課題に直面することになります。
長期的な戦略の難しさ
終盤で内定辞退が多発するため、長期的な採用戦略を立てにくくなります。

たとえば、合同企業説明会への参加や、就活サイトでの露出に多額の予算をかけても、その効果は当該年度に限られがちです。次年度には同じ投資を繰り返し、結果として採用コストが高止まりする状況に陥っていませんか?「なんとかしたいけど、毎年同じことの繰り返し…」そんな悩みを抱えている方も多いはずです。

「投資型採用」の特徴とメリット

では、「投資型採用」とはどういうものなのでしょうか?
もしかすると、初めて聞く言葉かもしれませんね。
それもそのはず、これは私たちが生み出した新しいアプローチです。
「投資型採用」の具体的な特徴を見ていきましょう。

予算配分の最適化
母集団形成に投じる費用を見直し、"採用プロセスの最適化" や "歩留まり改善" に充てます。これにより、短期的な集客よりも、長期的な関係性の構築に力を注ぎます。
ノウハウの蓄積と活用
各年度の採用活動で得られるデータやノウハウを体系化し、翌年度以降に活用します。採用は一度きりのイベントではなく、知見を積み重ねていく継続的なプロセスです。
長期的な採用ブランディング
一時的なPR活動にとどまらず、持続的に企業ブランディングを行います。学生と長期的な関係を築き、紹介や口コミを通じた採用の増加を目指します。

この「投資型採用」によるメリットは次の通りです。

コスト効率の向上
長期的には採用コストの削減が可能です。毎年新規の母集団形成に予算を費やすのではなく、積み重ねていくことでコストを最適化します。
採用の質の向上
歩留まり改善に注力することで、会社にフィットした人材をより効果的に採用することができます。
継続的な改善
蓄積した知見を活用することで、年々採用活動が効率的・効果的になります。
企業ブランドの強化
長期的な関係性の構築により、学生にとっての企業の認知度や好感度が高まり、結果として紹介や口コミによる採用の機会が増加します。


「投資型採用」への転換事例

ここで、「投資型採用」への移行によって成果を上げた企業の具体例をご紹介しましょう。

A社(アミューズメント業界、従業員300名規模)の事例

Before(浪費型採用)
採用予算:1000万円(うち母集団形成に700万円)

母集団:1000人 → 選考参加者:200人(20%) → 内定通知者:80人(40%) → 内定承諾者:24人(30%) → 入社者:19人(80%)
入社1年以内の離職率:15%

After(投資型採用)
採用予算:1000万円(うち母集団形成に400万円)

母集団:500人 → 選考参加者:150人(30%) → 内定通知者:75人(50%) → 内定承諾者:37人(80%) → 入社者:29人(80%)
入社1年以内の離職率:5%

母集団形成に投入する費用を半分に抑えながらも、内定承諾率や採用成果は大幅に向上しました。この事例からも分かるように、「投資型採用」によって採用の質・量の両面での改善が見られています。

特に内定承諾率の大幅な向上と入社後の定着率の改善は、単なる数字上の成功を超えて、企業と人材のマッチング精度が向上していることを示しています。


「投資型採用」実践へ

次に、「投資型採用」を実際に導入するためのステップをご紹介します。

  1. 現状分析
    採用活動の費用対効果を分析し、改善が必要な領域を特定します。

  2. 目標設定
    3年後の理想的な採用活動の姿を描き、具体的な数値目標(内定承諾率60%、離職率5%以下など)を設定します。

  3. 予算の再配分
    母集団形成にかける予算を段階的に削減し、歩留まり改善や採用プロセスの最適化に充てます。例えば、初年度に10%減、次年度にはさらに20%減といった具合です。

  4. 長期的なブランディング戦略の立案
    継続的な企業の魅力を発信し、学生との関係を深める施策を考えます。例えば、社員インタビュー動画の配信や業界セミナーの開催など。

  5. データ収集と分析体制の構築
    採用活動の各段階でデータを収集・分析する仕組みを整えます。説明会参加者の特性、選考通過率、内定承諾理由などを体系的に記録します。

「投資型」採用の具体的実践例

  1. インターンシップの戦略的活用

    • 従来: 1週間の職務体験型の中期インターンのみを実施

    • 投資型: 1day,3dayインターン、中期インターン(1週間)、長期インターン(1-3か月)を段階的に実施し複数接点を取る仕組み

    • 効果: 学生との接点が増加し、相互理解が深まることで、内定承諾率が20%向上

  2. 採用広報のSNS広報シフト

    • 従来: 採用媒体や採用イベントに多額の予算を投入

    • 投資型: SNSを活用した情報発信、戦略的な採用イベントへの出展

    • 効果: 採用広報費を30%削減しつつ、エントリー数は15%増加

  3. 内定者フォローの強化

    • 従来: 内定式と入社前研修のみを実施

    • 投資型: 月1回のオンライン座談会、先輩社員とのメンタリング制度、内定者を巻き込んだコンテンツ企画

    • 効果: 内定辞退率が25%から10%に低下、入社後の早期離職も半減

このように、投資型採用は単なる短期的なコスト削減手段ではなく、企業の未来を支える長期的な戦略です。その取り組みには時間と努力が必要ですが、これこそが確実に人材獲得力を高め、企業の競争力を強化する手段となります。

この記事を通して「投資型採用」の概念が明確になり、皆さんの採用活動の中で新たな施策として活用できるヒントになれば幸いです。

次の記事で、投資型採用を実施するうえで重要な考え方である「「感情リクルーティング」について解説していきますね。

お楽しみに!

株式会社アローリンク 蘓 伸太郎


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