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事業活動のすべてを採用広報のコンテンツ資産にする。

活動を「点」ではなく「線」の視点で

こんにちは。道場(どうじょう)です。

採用広報やHRのコンサルティングのご支援をしている中で、「点」の視点になっていてもったいないなと感じることが多いのが、今回の表題にもある「事業活動のコンテンツ資産化」を見据えた社内活動、社内教育・ナレッジ共有体制の設計や文化醸成がなされていないことです。

一人では経験できないこと、また、ヒヤリハットなど失敗した経験も含めて、個人だけではなく組織の知識に転換できれば、組織全体の学びになります。また、人材育成面では、特に若手人材の育成パワーも抑えられますし、成長も早くなりますよね。そして、何より属人性が回避できます(Aさんはこう言っていたけど、Bさんにはそれじゃダメだと言われた、みたいな話は良くありますよね…)。

個人の知を組織のナレッジに。そして、社内のナレッジを活かし、社外広報・アウターブランディングにつなげることが企業が強くなる。成長する組織は、この仕組み化を意識し、意図的に取り組んでやっており、アウター側の採用広報もインナー側の人材教育や組織ナレッジも全て「線」で考え、設計するところに、本質的な組織の自律・成長があるのではないかと思っています。

学習し、アウトプットする組織の3ステップ

採用広報ありきのスタートで始めようとする場合、「ブログで社内のことを発信したいので、記事運用に協力してください!」といったチーム作りをすることがありますが、僕はブログ運用目的でチームを編成するよりも、「最終的に社外にアウトプットすることを目的として、社内のナレッジを蓄積し、活用することからスタートすること」を念頭においたプロジェクトチームを編成することをオススメしています。

ブログ運用目的のチーム編成の場合、「何を実現するために運用してるんだっけ?」という組織内での目的が見えないので、ブログを更新することだけが目的化してしまい、コンテンツのクオリティが低下したり、伝えたいもの・役に立つものが見えずに運用側のモチベーションが続かないなど、継続することが大切なコンテンツ運用にも関わらず、結局のところ短期間で頓挫するケースも多いように思います。

ナレッジを活かすSTEPを単純化すると、

(STEP1)社内に”溜める” 
社内で個人に散らばっており、属人化している知見・ノウハウを集約することで、誰でもが見られる状態にする。プロジェクトは予実管理だけではなく、経験の学びの振り返りやフィードバック、成果発表等までをエンドにセットすることで、社内にナレッジが蓄積され、教育資産となる。
       ↓
(STEP2)社内で”活かす” 

STEP1で共有されている経験やヒヤリハットなどを活かし、次のプロジェクトの企画に反映する。また、STEP1で使用したツールやモジュールなども流用できるものがあれば、積極的に活用をしていくことで、業務生産性も高まる(=利益率が高まる)。
       ↓
(STEP3)社外にも”届ける”
STEP2で取り組んで社内的に有効だったものを社外にも、記事やセミナーなどでノウハウとして届けて社外広報として発信していくことで、企業や採用のアウターブランディングにも寄与するコンテンツ資産となる。また、この中から、サービス化されるプロダクトも生まれるかもしれない。

このような3つのステップを積み上げることで、日常的な企業活動の全てが最終のアウトプットができるまでを目的としつつ、まずは目先で「自分たちのために」どう活かせるかを考える組織が強いということです。

社内だけで活用されるマニュアルも大切だと思いますが、上記で言うと、「STEP2」で留まってしまうのが、非常にもったいない。せっかくなら、「STEP3」まで持っていくことを意識していけると、社内・社外ともに資産価値は大きくなりますよね。

もちろん、営業秘密などもありますが、社外にも届ける「STEP3」を意識することで、社外の目を意識することにもなり、自分たちの取り組みを抽象化し、マーケットの中で立ち位置を客観的に把握することにもつながるのではないかと思います。(どうしても社外に出せないものは、後から削れば良いという発想で。あれはダメ、これはダメでは進まないことも多いので…)

結局は、社内の実験的創作活動が社外広報につながるということですね。だからこそ、個人の自律、組織の学び、挑戦し、共に成長する風土が大切だなと感じます。

社内マニュアル的にも使える「個の教育」、事業活動に活かす「組織のナレッジ」、ブランディングにつながる「社外広報の仕組み化」。この、一石”三”鳥を狙える設計が理想的ですね。

アウターはインナーとセットで引き上げる

同じ景色を見たい場合でも、なかなかイメージが噛み合わない。一つひとつの単語や言葉のイメージ、知識差が障壁になる。じゃあ、丁寧にコミュニケーション取ったり、教え込むのかというのも時間がかかる。そんな時は、基本知識の理解、共通言語化ができる共通の本を読み、吸収してもらうのが早いってことありますよね。

それと同じように、自社の「社内向けの公開マニュアル」を作っておけば、属人化を防止すると共に、共通の定義を持つことができます。また、採用活動の時によく「当社は新人教育がバッチリです!!」と訴求しているのも見かけますが、実際のコンテンツで外部に見せておけば、技術力の訴求などにもなり、「教育しっかりしてますよ!」と言うよりも説得力がありますよね。

事業活動そのものが社外発信、広報活動につながっているだけで、あくまで、社内の教育やナレッジの仕組みなど、インナー活動の延長。組織運営の中で、教育効果、広報効果を別々に切り離して考えるのではなく、一つの人事的な施策として線でつなげて考えてみる。コミュニケーションデザインのような観点で、情報の流れや活用方法を考える発想は、組織を活性化させていくと思っています。

じゃあ、ここまで大がかりに社内を動かさないといけないのなら、「採用広報もなかなか始められないよね…」と思われる方もいるかもしれませんが、まず始めてみることで、この「溜める」「活かす」「届ける」のステップを中長期視点で作り、採用広報を起点に組織を強くすることを宣言するのも良いと思っています。(組織に変化を起こすには、キッカケも必要ですので)

流行りもあって、採用広報が採用のためだけの「手段先行」で捉えられがちですが、アウターの社外広報だけを目的にするのではなく、社内のインナーも並行してアップデートすることを目的に。インナーもセットで高めていくから、企業が強くなるということを大目的に取り組めると良いですね!

採用戦略立案、採用マーケティング設計支援、採用ブランディング、採用広報など、インナーの理解を通じた戦略上流を中心とした支援をHRパートナーとして活動を行なっています。経営と近く、事業理解を必要とするサイズの企業の伴走型サポートがメインです。

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