ゲンの散歩は私の日課で、ほとんど毎日連れて行った。
ゲンの散歩は私の日課で、ほとんど毎日連れて行った。たまにサボりたい時もあったが、学校から帰るとすぐに気付かれて、庭から延々と続くゲンの散歩コールに根負けして連れていく。おやつを食べながら窓から覗いたら最後、「オ・ヤ・ツ、オレにも、くれ!」と言わんばかりに更に激しく吠えられる。リードを持って出ると、ゲンは狂喜乱舞して暴れ出し、なかなか首輪にリードを付けることができない程だった。そしていざ鎖を外すと、そのまま数百メートルの疾走が始まる。左には家の砂壁(ザラザラとして腕を擦ったら