鬼才・坂口恭平さんの「悩み相談」をよんだら、創作のヒントだらけで「1億総クリエイター時代」を確信した:『自分の薬を作る』レビュー
すいません… 投稿が遅れてしまいました… いつも予約投稿しているのですが、本日分が予約投稿が漏れていたようです。
iPhoneの「noteウィジェット」をみて、連続投稿の日数がアップデートされていないのを見て、今日の投稿がされていないことに気づきました!「noteウィジェット」おすすめです。
…とおもったら、どうやら、本来今日7時に投稿する予定だったこの記事が「過去の日付」で予約投稿されていたことがわかりました…
過去の日付で予約投稿すると、おそらくその日付で投稿されたことになり、連続投稿のカウントには入らないようです。
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ぼくより上の世代のアーティストで、もっとも尊敬しているのが坂口恭平さん。
そんな坂口さんの『自分の薬を作る』を読みました。
これがおもしろい!
坂口さんは、自殺しようか悩み、苦しむ人々によりそうため、自らの電話番号を「いのっちの電話」として公開しています。
やろうと思っても、なかなかできるものではない活動なのですが、その「いのっちの電話」を再現するかのように、2019年に実際に行われたワークショップをおさめたのが本書。
生きづらさを感じている人が、何らかの形でヒントを得られる一冊です。
とくにユニークなのが、悩みの解決法が「生活習慣」にとどまらず、「創作論」にむすびついていること。
今回は、そんな唯一無二の『自分の薬を作る』から学んだことをまとめます。
死にたい要素
坂口さんは、人が死にたくなる要素として、「アウトプットの方法」をまったく知らないことを挙げています。
食べることや呼吸に関しては、インプットとアウトプットをしているにもかかわらず、情報にかんしてはインプットするばかり。
そんな生活をしていると、体が危険信号を発し、それが悩みのもとになります。
つまり自然にしたがって、「インプットをしたらアウトプットする」というあたりまえのことを行うことで、危険信号に対処できます。
疲れを感じている時は、インターネットから離れたほうがよさそうです。
そして、悩みゴトを「相談する」というのも一種のアウトプット。
自分が感じている、何とも口に出しにくいことこそ、積極的に口にするようにすすめていました。
というのも、じつは悩みというものは、ただの「考え方の特徴」にすぎないからです。
坂口流・創作術
上記では、人がアウトプットの方法を知らなすぎることが問題点として挙げられていました。
そこで、ワークショップを受けた人々に開陳されるのが、坂口流の創作術。
まず心構えとして、「適当に何でも思いついたことをやる」ことをすすめています。
学校なんて行く必要は無く、ルールを無視して、ただの娯楽として、さっさと適当なアウトプットをする。
人に見せる事は一切考えずに、ぱっと思いついた欲しいものを、そのまま作ることがすすめられています。
この態度は、日常にアウトプットの習慣をねづかせるためにとても有効だと思いました。
そのためにはオープンマインドで、すぐに行動するフットワークの軽さが大切だと感じました。
具体的な創作術では、とくに「小説」の創作法が興味深かったです。
坂口さんが小説をかくときは、外側の現実をまったく受け付けられなくなっている代わりに、内側に風景が広がっているそう。
その内側の世界をもう1つの現実だと捉え、見えているものだけを言葉にしていくと語っていました。
また、坂口さんは音楽家としても活躍し、料理本もだしており、「音楽」と「料理日記」についての創作術ものっているので、気になる方はぜひ本をのぞいてみてください。
ぼくも主夫として毎日料理をつくっているので、坂口さんの料理本『cook』を早速ポチりました。
日課をつくることが自分の薬をつくること
毎日の創作をささえるのが日々の日課。
いつも呼吸をするように、食事をするように日課をやっていくことが大切です。
ワークショップの受講者に、24時間を30分タイムでいちどしっかりスケジュールを組んでみることをすすめています。
心構えとしては、日課を「旅のしおり」と考え、ワクワク感を持って過ごしてみることが大切です。
坂口さん自身の日課も、24ページ目にはスケジュール、27ページ目には一日のタイムテーブルをあらわした円グラフ図が、本にのっています。
興味深かったのが、余白をたっぷりとっていること。
1日3回の休憩を入れていたり、ただ横になって、心臓を休める時間をとっていました。
まとめ
坂口恭平さんの悩み相談が本になった『自分の薬を作る』。
悩みの原因にはインプット過剰があると看破し、処方箋としてアウトプットの方法をおしえてくれる本です。
そして、そのために日々の日課をただすことの重要性もまなぶことができます。
情報にあふれた現代では、アウトプットをつうじて正気をたもち、精神的に健康でいられるので、「1億総クリエイター時代」は自然のながれだと思いました。
余談ですが、本書にて、ある受講者にオススメされていたカフカの日記『カフカ全集 7』をさっそく図書館で予約。(絶版になっていて高額!)
人間としてのカフカ、そしてカフカの悩みを垣間見ることができ、この人も困っているんだと安心できるそう。
う~ん、たのしみすぎます!