デジタルの魔法:心理学から解き明かすビジネスの奥深き世界
こんにちは。ホ・ヴィンチです。
前回の記事では『僕らはそれに抵抗できない』の書評をつうじて、自分が「インターネット依存症」かどうか判断する方法と、その対策について触れました。
しかし、今回はその一歩先にふみこみ、「デジタルビジネスから学ぶ心理学」に焦点を当てます。
個人事業主や、マーケティングを担当している社会人にとって知っておいて損はないはず。
デジタルの世界にはぼくたちの心を引きつける心理的メカニズムが潜んでおり、これをビジネスに活かすことで、成功する確率をあげること可能となります。
本書には多数の手法が紹介されていますが、この記事ではとくに「ビギナーズラック」、「ツァアガルニク効果」、「ゲーミフィケーション」の3つを紹介します。
ビギナーズラック
ビギナーズラックは、はじめて何かに挑戦した際に「驚くほどの成功」をおさめる現象です。
この現象には人を引き込む力があり、その成功の快感が、ユーザーを次なる挑戦に駆り立てるでしょう。
スマホゲームがその代表的な例で、誰もが手軽にはじめられ、はじめてのプレイで大きな成功を収めることがあります。
これはビジネスにおいても応用可能で、商品やサービスを利用する際に「初回特典」や「成功体験」を提供することで、顧客を引きこむ効果が期待できます。
ビギナーズラックは顧客の心をつかむ手段として重要な要素となりえます。
ツァアガルニク効果
ツァアガルニク効果は、「未完了の体験」につよく心を奪われる心理現象です。
達成感や興奮は、完了した経験よりも「未完了なもの」につよく結びつくといえます。
たとえばNetflixのドラマ。
1話ごとの、次の展開が気になるようなエンディングがよい例です。
これをビジネスに応用する手段として、商品やサービスを提供する際に「未完了感を残すデザインや展開」が有効です。
未解決の課題や疑問を残すことで、ユーザーは興味を引かれ、継続的な関与が生まれやすくなります。
ゲーミフィケーション
ゲーミフィケーションは、ゲームの要素をビジネスに組み込む手法です。
じつは優秀なゲーミフィケーションには3つの共通点が存在しています。
それは、ポイント制、バッジの取得、ランキング表。
これらをゲームの要素を取り入れることでユーザーの参加意欲を高めることが可能となります。
とくにデジタルビジネスにおいて効果的で、ユーザーがアクションを起こすさいに楽しさや報酬を感じさせることができます。
たとえば、商品を購入するごとに「ポイントをためる」仕組みや、特定の「ランキング」に入ることで特典を得る仕組みなどが挙げられます。
これにより、ユーザーは楽しみながらビジネスに参加しやすくなります。
おわりに
『僕らはそれに抵抗できない』の中心的なテーマである「テクノロジーのダークサイド」は、ビジネスにおいても深い洞察を提供しています。
中毒性のある製品やデザインの背後にある心理的メカニズムを理解し、顧客の心を引きつける戦略に取り入れることで、ビジネスの成功につなげることが可能。
ただし、これらの手法は諸刃の剣であるため、慎重に利用する必要があります。
デジタルビジネスをつうじて人生を豊かにするためには、心理学を上手に活用し、ポジティブな体験を提供することが重要です。
ユーザーにとって有益な経験を提供し、共に成長することが理想的といえます。